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初めての街

 初めて出会った人リリアン様達との出会いでこの世界にも人がいる事がわかった。

 そして異世界の初めての街では同じ人型の人達が歩いていて生活している。


 改めて、ここはマーキュリー領にあるフリッグの街

 ドゥームグローブに最も近い街だ。


 街の人達は中世ヨーロッパがベースになっていそうな人々で顔の凹凸も高く、髪の毛の色も様々で緑色や紫等、地球では自然では見られない色や、目の色もカラフルで外国だなぁって第一印象。


ああ、外国じゃなくて異世界だな。


街ゆく人達からすると俺の方が珍しいみたいで、サクラよりも注目されていた。


黒髪・黒目って珍しいのか?



 街の作りは基本石造りかレンガのような焼き石作りの建物が多く、森の自宅のような全部木造の家の数は少ない。

 高そうな家にはガラスが使用されていて、ガラス窓がある事に驚いたけど、サクラによると地球にも七世紀位からあったらしいので、単に昔の日本に無かっただけみたい。


 街も活気が溢れていて人々の生活の息吹を感じる。


 イングリッドさんと歩いていると店のオバチャンから声を掛けられることもあるのでイングリッドさんと街の人達の関係は良好みたいだ。


最初から街の人達と関係の良い人と同行できてラッキーだよ。


 露店が建ち並び、日用雑貨や野菜などの食べ物、肉類も売られている。

 この辺は街の出入り口付近でバザーエリアと呼ばれる場所、主に冒険者等、労働者向けの単価の安い物が売られている所と説明された。

 もっと奥に行くと商業エリアになるのでそこはもっと賑やかで良い物が売られているとの事だ。


 商売が活発なようなので冒険者組合に向かう途中、この世界の貨幣制度について聞くついでに、ゴブリンやオーク等のモンスターがドロップした俺達兄妹の持っている硬貨が使えるのか気になる所だ。


 イングリッドさんにそれとなく聞いてみると、イングリッドさんは快く答えてくれる。

「イングリッドさん、この街で1日過ごすとなるとどの程度お金が必要になりますか?」


「君たちはこの街は初めてだよな!街ごとに微妙に物の値段が違うからなぁ」

と歩きながら物の相場について教えてくれた


 一般的な食事 大銅貨五~十枚

スープやシチューとパンのセットで大体こんな物


 一般的な冒険者用宿 小銀貨三枚から五枚

三枚は屋根と寝る場所が有るだけの簡素な物。素泊まり宿って物。


あとは聞いた事の無い名前の食材?や物の値段がいくらとか親切に説明してくれたけど


 途中から全然わからねぇよ


 でも冒険者はこれを基準として物価相場を見極めるかもしれないと考えて一応有り難うとお礼を言っておく。


 考えてみれば宿屋の料金と食べ物や日用雑貨の値段が解れば活動拠点としてのコストはある程度推測出来る訳だし、イングリッドさんが言っている事にも一理ある。


ここで出てきた新しい言葉が、大銅貨・小銀貨だ。


てっきり銅貨と銀貨のように材質によって一種類づつしか硬貨は無いのかと思った。

これについても何気なくイングリッドさんに聞いてみる事にした


「森で討伐したゴブリンが汚い銅貨を持っていたけど、これも使えるのかな?」

「シオン君、見せてくれるかな?あいつらが持っている銅貨は破損が酷くて通貨として使えない場合もあるからね」


バックの中から銅貨を取りだしてイングリッドさんに手渡す


「これ大銅貨じゃん!これゴブリンが持っていたの?状態はギリギリ大丈夫かな。使える大銅貨ならラッキーだよ運がいいね!」

と、この銅貨は使える事が判明。


当然の事ながら同じデザインの銀貨や金貨も使うに問題はなさそうだ。


色々言葉巧みにイングリッドさんに日本人だとバレないように通貨システムついて聞いて行くと


小銅貨 日本円で十円位、通過としては最小単位

大銅貨 1枚で小銅貨十枚と同等。 日本円で百円相当

小銀貨 1枚で大銅貨十枚と同行  日本円で千円相当 

大銀貨 1枚で小銀貨十枚と同等  日本円で一万円相当

小金貨 1枚で大銀貨十枚と同等  日本円で十万円相当

大金貨 1枚で小金貨十枚と同等  日本円で百万円相当

白金貨 大金貨百枚と同等  日本円で一億円?


と種類と枚数の関係がわかり、さっきの話で出てきた食事セットが大銅貨五枚程度と考えると日本円で五百円と割り当てられれば、日本円換算もこんな感じになると考えてみた。


 日本ならHotto Mottoののり弁+味噌汁で500円位だったから、食事についてはワンコイン弁当を想定した。


 また、イングリッドさんの話では大銀貨をバザーエリアや露店で使うとお釣りの問題で嫌な顔をされるって言っていたかな。

 日本でも祭りの屋台で一万円札を出すとちょっと待ってねと嫌な顔をされたり、今お釣りが無いからとか断られる事もあった事を思い出す。


 大銀貨までの通貨価値は大体日本と同じ感じでも良いかもしれない。


 俺達兄妹が持っているのは全て大銀貨・大銅貨のようなので使える事がわかり安心した。


 街を歩き進めると商店街ゾーンは賑やかで活気に溢れてる。

 露店では肉の串焼き等も売られていてそれらが一本大銅貨一から二枚程度で売られているのが相場なようだ。

 食べ物以外はさっきのバザーエリアと比べると単価が上がっている事も特徴的だ。


 知らないところで買い食いをしてみたい気もするが、どんな衛生状態で作られた物なのかもわからないので今回は保留する。

 サクラは美味しそうな匂いがする串肉に興味があったようだけど、小腹はこれで満たせとカロリーメイトを手渡してたが、凄くつまらなそうな顔をしていた。


買い物や食事関係はこの世界の事情がもう少し解ってからの方が良いと思う。



 所持金は確か大銀貨が一千四百枚、この計算式で考えると日本円で一千四百万円相当。

 大銅貨も一千四百枚あったはずなので銅貨なら十四万円相当となるけど食い物の値段で計算しているので武器とか高額で食べ物が安い世界なら計算も見直さなければならないけどね。

 金貨については日本での現金化を考え必要な時に考えるとしよう


 当面の活動資金については問題は無くなったと思いたい。


 続けてドロップ品についても聞いてみる。

 良く手に入れるゴブリンの腰巻きとかね。


「ゴブリンの腰巻き?あれは売れないよ。臭いし、洗っても汚れなんか落ちないから、使い道も無い、なんであんな物がドロップするのか謎だけどな、シオンもドゥームグローブに出没する異常に強いゴブリンがドロップしたから価値が変わったとか思った?」


 イングリッドさん達もドゥームグローブに出没するモンスターが異常に強くなった事で、ドロップ品も価値が上昇したかと期待したらしいが、ドロップ品は同じまま。


 倒しても大損するので、狩り場としては最悪の森になっているらしい。

 腰巻きは洗うと綺麗になって日本だと高く売れるから俺達は回収すると思うけど。


 そのままイングリッドさんに案内され、目的地の冒険者組合に到着した。


ご一読いただきありがとうございます


面白そう!続きが読みたいと思いましたら

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