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森から出たぞ!街に到着だ

 地獄の三丁目辺りからモンスターの出現率が上がり、既に100体以上の討伐が続き、キャリーカートのリリアン様とエリカさんには悪いけどこれ以上遅くなると森を出る前に日が暮れてしまいそうだ。


 そんなわけでスピードアップする事にした。


 ラスター達は一気に加速すると、馬の全力程度の速度に抑えてもらってはいるがリリアン様達からすれば未体験の速度、サクラはいつも乗っているので乗り物慣れているけど、リリアン様達はモンスターに襲われるよりはマシと我慢している。


 やがて地獄の2丁目に入るとモンスター達も俺達の姿を見ると向こうから逃げていくようになった。


 時々ジャックラビットと呼ばれる中型犬位のウサギ型モンスターに遭遇するとその可愛らしい姿とは別に、近づいた獲物を鋭い耳で切り裂くと言う凶悪な奴だった。

 サクラも最初は可愛いと言っていたが、エリカさんの説明を聞いて、襲いかかってくるような奴等はハンドガンであっさり撃ち殺していた。


 ラスター達の速度が早いので、もうモンスターに襲われる事も無さそうである。

 地獄の一丁目まで行くと、ラスター達の気配に当てられてモンスターの姿さえ消える。


 やがて日が落ちる頃に、無事にドゥームグローブを出る事に成功したのだ。


「さてここからは徒歩だな、エリカさん森の外をラスター達と行動するのは止めた方が良いですよね」

「そうですね、あの魔獣は危ないので一旦この近辺で待機するようにして下さい」


 駄目元でエリカさんに聞いてみたが、やっぱりラスター・ウインクを森の外に出すのは駄目っぽく、ここから先は別行動となるので俺とサクラはラスターとウインクをなだめるように現状を説明する。


「ここからはお前たちを連れていけないの、森でお留守番できるかな?」

『ウォーン…』


 ちょっと寂しそうな二匹だけど二匹には我慢してもらうしかない


「帰ってきたらいっぱい遊んで上げるからね!」

 サクラが二匹をモフモフしてると彼らも尻尾を激しく振って答えていた。


 こうして二匹と一時的に別行動となる。


 さて初めての森の外、そろそろ日も落ちるから野営かな。

 本来ならドゥームグローブ付近で野営するのは危険なのだが、今回はラスター達が側で見ていてくれるので、下手に距離が離れるよりは安全だろうと考えた。


 テントを張ってご令嬢達には専用のテントを貸し、俺達兄妹とは別に夜を過ごし、野営中は見張り役が必要になるとエリカさんに言われるとエリカさんと交代しながら見張りをし夜を明かしたが、結局はラスター達が側に居たので何も起らず、日が昇る頃には再びテントをしまい、街に向けて出発となった。


 ここからは徒歩による移動になるのでキャリーカートには荷物だけ載せると俺がキャリーカートを引っ張り女性達は自分で歩いて移動してもらう。


 リリアンさん達はブーツみたいなかかとの高い靴だったので、これも事前に運動靴みたいなのを用意したよ。


軽くて歩きやすい靴じゃないとすぐに歩けなくなるからね。


「シオン様この靴は魔法の靴なのでしょうか?」

エリカさんが不思議な事を言う


「いや普通の靴だけど、スポーツシューズって歩きやすい靴だよ」


 二人が言うには俺が渡した靴を履いたら凄く足が軽くなってしかもあまり疲れないのだとか。

 結局彼女達が早歩きだったので俺達もそれに合わせて早歩きをし、俺自身このスピードがこの世界の人々の標準的な歩行速度だと思ってしまう。


歩いている感じなのに軽めのマラソン位の速度は出ていたからね。


「リリアン様達は普段こんなに早いペースで歩いているのですか?」

「シオン様そんな事はありませんわ、この靴のおかげで不思議と早く歩けるようなのですわ」


 俺とサクラもステータスアップしていたので苦では無かったけど、結局遅めの馬車並の速度で歩き続けたので予想より遙かに早い時間でマーキュリー領・フリッグの街に到着した。


 森から凄く早く到着した訳だけど、本当に日本製のスポーツシューズの影響か?




 さて、街と言っても日本にある街とは違い、周囲は壁で囲まれているような要塞都市みたいになっていて、異世界ファンタジー物で良く見る外部からモンスター等の侵入を防ぐ為の物なのだろう。


出入り口には門番が立ち、街に入る為には審査が必要なのだ。


俺達はこちらの人から見れば異世界人なのでどうすれば良いか困る。

せっかく街まで来たのだから街を見たい気もする。


「シオンさんとサクラさんは冒険者ですよね?冒険者カードはありますか?」


「無いよ!」

サクラがあっさり答える。


「そうですよね、ドゥームグローブの中で生きていれば無くすかもしれませんものね、助けて貰ったお礼もかねてリリアンお嬢様が保証人になりますので冒険者として再登録するのはどうでしょうか」


「うん、助かるよ!」


と、簡単に話が進んでいく。


入街ゲートではエリカさんがマーキュリー伯爵家の紋章を示すと、門番が驚いたようにブッ飛んで行き詰所は大騒ぎ、30分ほどで偉い人達に囲まれた。



「君たちがリリアン様を助けてくれた冒険者達か!大変助かった!お礼を言わせてくれ!」


俺達に挨拶をしたのは二十五歳くらいの女性でイングリッドさん。

筋肉質な女性でオリンピック格闘選手のようなアスリート系な感じだけど、爽やかなショートカット活発系女子って感じの美人さん、この街で副兵隊長をしている結構実力者な人みたい。


そしてリリアンさん達とはここでお別れ、後日お礼と礼金が出るとの事でマーキュリー伯爵家を訪れて下さいとエリカさんから説明されると、彼女達は迎えの馬車に乗り急ぐように去ってしまった。


短い間だったけど有り難う、初めての異世界の人!


俺達はイングリッドさんに連れられて、冒険者組合に行く事になったのだ。

初めての異世界の街、しばらく森で引きこもっていたから人との出会いが凄く懐かしい。


異世界の街を探索だ!

ご一読いただきありがとうございます


誤字報告ありがとうございます。

修正いたしました。


面白そう!続きが読みたいと思いましたら

いいね、ブクマ、評価よろしくお願いいたします!!


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