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朝起きたら異世界でした

日曜日が終りいつもの月曜日がやってくる。

 今日も仕事だ、はっきり言ってダルイ。

 布団の中で外からスズメの声が聞こえてくるのはいつも通りだが、今日は月曜日だよな…でも家の前を通る車の音が聞こえない。

 日曜日なら交通量も減るので比較的静かなのだが、こんなに静かなのも珍しい。

 時計を見ると朝の6時、そろそろ起床しないと会社に遅れるな。


「お兄ちゃん!ちょっと来てよ!外の様子が変なの!!」

 妹の声が寝室へと響いてきたのだ。

 車が通らないから家の前の道で交通事故でもあったのかと思い、カーテンを開けて外を見てみたら…


 見慣れない森の中だった。


 俺は急いで寝室から出ると、妹の居る場所へ向かう。

 妹は玄関を開け、呆然と外の様子を見ていた。


「朝、花に水をやろうと外に出たらこんな感じになっていたの!」


 自宅の前には広めの道があり、家の敷地以外の場所は森になっていたのだ。

 森や木々に詳しい訳ではないが、明らかに日本で見られるような木々ではない。

 スズメの鳴き声だと思っていた鳥の声も何だか見た事の無い鳥が飛んでいるのを確認できた。


「外の様子が変と言うか、なんかマズくないか?」

「うん、私もそう思う…あんな鳥、日本じゃ見た事ないし」

「お兄ちゃん!スマホのWi-Fi繋がらないし圏外だよ!」


 隣の妹がスマホ片手に俺の袖を引っ張ってきた。


「圏外って…ネットも繋がらないのか?」

「友達にこの状況をメッセージ連絡しようと思ったけど繋がらないよ!」


 ちょっと状況を整理するために、玄関のドア締め施錠する。

「さくら、とりあえず状況確認しようか」

「うん」


 この家は俺と妹の二人暮らし、元々は家族で住む2階建ての古く小さな家だったが、両親が隣に新築し古いこの家は子供の俺達だけで独占できる場所として自由に使わせて貰っている場所だった。


 俺は工業高校卒業のDIY好き20歳、近所の工場に勤務している社会人だ。

身長は父親からの遺伝なのか170cm無い。でも中高とスポーツをやっていたのでそれなりの体型をしているが、女子にはモテた事は無い普通の男だ。


 妹のさくらは自称”気にしない”王を名乗る明るい性格で誰とでも仲良くなれる高校生。

俺の事をお兄とか兄ちゃんと呼ぶ。

今年高校一年だから年齢は15歳だったかな。

母さんがロシア人なので、その血を強くひいているのか白い肌に日本人離れした美しい体型とライトブラウン系のセミロングの髪、顔立ちも日本人離れし密かにモデル業もしている、妹だけどかなりの美形。


俺も母親似だったら、たぶん美形だったのだろうけど、残念ながら父親似のバリバリの日本人顔だ。


両親が仲良し夫婦だった事もあり、その辺りを良く考えて育ててくれたおかげで思春期のさくらが反抗期になる事もなく妹とは良好な関係で、こんな俺でも普通に接してくれる良く出来た妹だ。


こんな世界にやってきて、お互い体に変化無いかとか今見ている風景が夢では無いかとあれこれ話をして、今の状況が現実であることをお互いに確認しあう。


 とりあえず二人の健康状態は良好だ。


 次に現状を確認しなければならない。

 とりあえずテレビをつける。

 何かの事故に巻き込まれたかもしれない!

「お兄ちゃん!テレビもつかないよ!」

 電気は?

「つかないよ!」

 どのスイッチを入れても電気が点灯する事は無かった。

「ブレーカか!?」

 配電盤を確認に行くが、ブレーカは正常の状態だったのだ。

「お兄ちゃん、水道も出ないし、冷蔵庫も止まっているね!」


 と、考えられる事はこの家は何処かに隔離されてしまったのか?と脳裏に不安が走った。


「実家へのドアはどうなっているのだろうな?」

 さくらが実家へと繋がっているドアを開くと、真っ暗な空間があり、その中に三十センチ四方くらいの光輝く場所があったのだ。

興味津々にさくらは光る場所を触ろうとしている。


「さくら!危ないから触るなよ!」

 ドアの向こうが真っ暗である事自体、異常な状態を示しているのは間違い無い。

 ドアの下側に三十センチ四方の光輝く場所があるのも謎だ。

 俺は近場にあった新聞紙を棒状に丸めて、真っ黒な部分を突っついてみる。


 突っつくと壁に当たるような感じであり、明らかにそこから先には進めないような状態である事を確認した。

 新聞棒には変化は無く、恐る恐る手で触れてみたが、壁があるような感じであり、特に危険は無さそうだった。

 次に残るのはドアの下側にある三十センチ四方くらいの光っている場所だ。

 同じく新聞棒で触れてみると、そこは新聞棒が吸い込まれるように消えていく。

 慌てて取り出してみると、新聞棒はそのままの形であり変化はない。

 さすがに手を突っ込む勇気は無いので長めの棒を突っ込んでみることにした。

 バルコニーの物干し台から物干し竿を持ってくると、光っている場所に物干し竿を突っ込む。四メートルほどある物干し竿はどんどん光っている場所に吸い込まれるようになるが、物干し竿が終る頃に、物干し竿に力がかかる。


「!?何かに掴まれた?」

 物干し竿が引き込まれるようになったので、危険を感じて手を離してしまうが、再び光っている場所から物干し竿が現れたのだ。


「おーい、誰かいる?」

 光っている部分から声が聞こえた

「ママだ!、お兄ちゃん、ママの声が聞こえるよ!」

「ママ!さくらだよ!」

「さくらちゃん無事だったのね!」


 俺とさくらは顔を合わせてしまう

「「母さん(ママ)があっちに居るの!?」」


 さくらが光っている場所に大きな声で問いかける

「母さん、こっちの二人は無事です、そっちはどうなっているの?」


「二人とも無事なのね!良かったわぁ!こっちはねぇお父さんも居るわ!」

 こうして四人全員の無事が確認できた

「そっちはどうなっているんだ!」

「お兄ちゃん!パパの声だよ!」

 どうなっていると言われても、俺も何だか解らないが、家の敷地がそっくり森の中にあると答えても意味が全く通じなかったようだ。


 当たり前だ。

 俺も解らない。


 四人で話し合った結果、とりあえずこの光っている場所に手を突っ込むのは止めようという結論となり、今後どうするかを考える事にしたのだった。


一話2000~3000文字程度のボリュームで投稿予定です



面白そう!続きが読みたいと思いましたら

いいね、ブクマ、★★★★★評価よろしくお願いいたします!!


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