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神世界転生譚:蛇足譚  作者: Resetter
9/10

0.0 プロローグ ~リセットボタンが見つからないって思ってたら、勝手にリセットされてた件~

簡易版プロローグです。

https://ncode.syosetu.com/n9813ho/

↑本編はこちらです。


 リセットしたい。


 そんな風に考えたことはないだろうか?


 

 いわゆるRPG世代だったオレは、何か嫌な事があるたびに、そう思っていた。


 

 ゲームでは何度もお世話になった、あのボタン。


 

 現実の嫌なことが、なかったことに出来たら……


 やり直して、上手いこといったら……


 普通の幸せってやつも、味わえるのかなって。




 

 だって、平均年5回も事故に遭ったり……


 3回も騙されて、無一文どころか借金まで背負わされたり……


 家族はどんどん死んじゃうし……

 

 

 だいぶひどくないか?!


 

 おかげでぼっちを極めたけどさ!

 

 でもよ、オレだって味わってみたいんだよ! 普通の幸せってやつをな!



 

 だから……リセットしたかったんだ。


 この"ろくでもない39年の人生"を。


 きっと、どこかバグってるから。



 でも、リセットボタンは見つからなかった。


 


 そして――そのまま、エンディングだ。


 享年39歳。


 不幸続きな人生も、やっと終わってくれたみたいだった。


 まぁ、これでよかったかもな!


 

 お疲れ様でした! お先に失礼いたしまーす!


 ようやく終わってくれたぜ! この苦痛(じんせい)


 さらばだ!



 ――そう思っていた時期が、オレにもありました。



**



 ――あの時。

 くだらない39年間の最期に……どうやら子供を助けて死んだらしいオレは、そうとも知らず謎の空間にいた。


 魂だけの状態になってたオレが、見渡す限りの白い空間で出会った美女は、創造の女神ソールフレイヤだった。


 

 ……まぁ、この目の前の超絶美女だな。


 「あなたは、レイリィ・セトリィアス・ミデニスティースという名前になりました。」


 「……はい?」


 

 「レイリィ・セトリィアス・ミデニスティースです」


 「……なんて?」


 

 「レイリィ・セトリィアス・ミデニスティースです」


 「……え? 長くないすか……?」


 お、覚えれるか……? これ。

 

 

 「あなたの希望を叶えようとしたら、こうなりました。」


 「……希望?」


 希望だと……? オレにはもう、夢も希望もないぞ……?


 

 「はい。リセット、したいんですよね?

 私が、あなたの神族としての身体と能力を、新たに創造しました。」


 え~っと……?


 

 いや……リセットしたいとは言ったけど……こうじゃないだろ?!


 オレがいっつも思ってたのは、タイムリープ的な意味なんだよ! なかったことにしたい的な!


 誰も別人になんて……んん?! 神族? 神?!


 

 ……はぁぁぁぁ?!


 え……別人どころか、別神ってか?!


 人生リセットってか、神生始まったってか?!


 

 いやいやいや……

 


 聞いてないぞ?!


 何してくれんだ?! この金髪碧眼超絶美女め!


 何をそんなにニコニコしてんのよ?! むぅ……


 

 ……はぁ〜。


 内心ではため息しか出ない。くそデカい奴だ。


 つってもまぁ、なってしまったものは仕方ないかぁ。もうどうしようもないんだろし。


 

 創造の女神は、なんというか……説明が雑だった。



 他にも一応色々話してはくれたんだが……


 たとえば……死んだ直後、オレは神々と地球の話を聞いたんだ。


 

 人間の魂は神々の餌になる的な話だ。


 経験をたくさん積ませる方が魂の質が上がるとかで、人間たちの寿命を延ばす……となったらしく。自分の運を削って他人の運を増幅させる"増幅者"ってシステムを創った、とか。


 

 で、実はオレ、その増幅者ってやつだったらしく……


 増幅者は、本当はリサイクルされるらしいんだが、今回のオレは面白く仕上がったとかなんとかで、転生させると決めたらしいんだ。創造の女神が。


 そんなわけで、神々の家畜管理業務は晴れて卒業となり。


 創り変えるって言われて、なんか眠いなぁ〜と、思ってた間に……神の住む世界ネイドスとかいう星に連れてこられてたみたいで……



 で、今日……起きたわけだ。


 知らん間に10歳だったし、中々びっくりである。

 


 オレは酒が苦手だったからな。起きたら隣に知らない誰かがいる! とか経験ないんだよ。


 なんだよ、起きたら別世界で神様になってたってさ。意味わからんが過ぎるなー。

 


 まぁ、オレが10年寝てた話は、ミエリッキとかいう光る玉が教えてくれたんだがな。この女神ではないんだ。


 

 

 そんで今は、スマホ一台もらって、好きに生きろと言われたとこだ。



 んー。ちょっと情報過多だぞ。


 

 むぅ。少し、話を整理しよう。


 

 オレは、元日本人……という記憶はあるが、元の名前と姿形の記憶はなくした、アズ神族ニルヴァ10歳の幼神、レイリィ・セトリィアス・ミデニスティース君。


 神能"リセット"の能力を持ってる、と。性転換も可能らしい。……何に使うんだか。


 今はとりあえず鏡が無いんで、姿形は保留だな。


 

 で、ここが、神々の住まう星、ネイドスってわけね。


 まぁ、今は白い石造りらしき神殿の中って感じだが。

 明るさも気温もやたらと過ごしやすい感じで、神様の世界ってのも納得感はある。


 

 んで、この袋の中身が神食ね。これ食ってれば神は死なない、と。便利な身体なんだかなんなんだか……。


 

 あと、このiPhoneぽいのは神スマホ……とでも呼ぶか。


 

 んで、目の前の女神様は、創造の女神ソールフレイヤ。我が母神様。金髪碧眼の超絶美女で、美巨乳だな。


 

 えーっと? あとなんだっけ。

 

 ネイドスにはたくさんの種族が暮らしてて……


 神族、竜族、巨人族、獣族、エルフ、妖精、人族……


 だっけ?



 よし。とりあえず現状は把握した。


 わけわからん。ということがわかったな。


 なんだそれ。無知の知かよ。ソクラテスじゃねーぞ。ミデニスティースだぞ。


 まぁいいや。実地で知れってスタイルなんだろ。研修とは名ばかりのブラック企業みたいね。


 はいはい。慣れてますよっと。


 

 さーてと。

 

 とはいえ何しよっかなー。

 別に転生とかいらなかったんだがなぁー。


 つーか、この神殿みたいな建物の外はどうなってんだろな。


 

 んー。本当に不幸体質治ってんなら、小さな幸せってやつを見つけにでも行くか?


 うん。それがいいかもな。今生こそ、平和で平凡な平穏ライフを手に入れよう。


 それだ!


 

 「で、オレ、本当に好きに生きればいいんです?」


 「はい。そうですね。……あ」


 あ……ってなんだよ。なんかあんの?

 


 「少し、獣族の様子を見てきてもらえますか?」


 獣族……? どんなのだろ? 動物的な何か? まさか、もふもふか?


 

「獣族は、多様性に富む種族ですが、そのせいか諍いが多いのです。なにやら近頃不穏な気がしますので」


 多様性ねぇ……。

 

 地球でいう所の、哺乳類全体みたいな事かな?

 不穏とか、不安でしかないんだが。オレは平穏が欲しいんだが?


 「あなたの能力なら、上手く争いも止められるでしょう。それに、いい出会いもあるでしょうから。」


 ……いい出会いねぇ。

 なんだよ? いい出会いってさ。嫁はいらんぞ? 騙すからな、奴らは。


 うーん。


 獣の星……

 いい出会い……


 もふもふかなぁ?


 だったらまぁ、アリといえばアリだなぁ。


 それに、完全フリーシナリオよりは、スタートくらい指標があった方がやり易いよな。


 争いを止めるってのは、ちょっとめんどくさそうだけどさ……。


 

 「では、送りますね。帰りは連絡ください。」


 女神はとてもいい笑顔だった……ように思う。


 

 送る? え? いや、オレまだ返事してなくない?


 

 ――と、疑問を抱いた瞬間――空に居た。


「おいいぃぃぃぃ! マジかぁあぁぁぁぁぁ!」


 転生早々なんだこれ!?


 扱い雑過ぎんだろーよ!!


 神族の常識ってどーなってんだ?!


 地面的なものが見えない位置からの、ノーパラシュートダイブ! 暇を持て余した神々の遊びってか?!


 地面はどーこだ?? じゃねぇんだわ!! ふざけんな!!

 

 待ち合わせカップルのノリでやっていいことじゃねぇだろ!!


 めちゃくちゃ引っ張られとるわ! あっつ! 火ぃ噴きそう!

 

 

 てか、この世界にも、空気も重力もあるんだねー。へー。



 

 はぁ~……。さっそく死亡確定キタコレ?



 まぁ……好きで転生したわけでもないし。


 来世のレイリィ? に乞うご期待ということで……


 

 それではまた……ごきげんよう……



ありがとうございました!今回はいかがでしたか?

少しでもご興味いただけた、ちょっとは応援してやってもいいかなというお優しい皆様!☆評価☆やブクマ、是非よろしくお願いします!

コメントなどもお待ちしております!

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