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プロローグ
神内功は「ぼっち」だった。
その命を不運に落とすまでの十八年間――彼に友達と呼べる存在は一人もいなかったのである。
それは偏に、彼の性格に由来するものだった。
他人に興味がない、無関心。
自分のことすらどうでもいい、無気力。
そんなパーソナリティーをした彼だからこそ、生涯を「ぼっち」で終えることになってしまったのだ。
それを不幸かと問われれば、神内功はこう答えるだろう。
「どうでもいい、興味がない」と。
だが――しかし。
高校の卒業式を終え、人気のない路地裏で暴漢に襲われた彼は思ったのだった――ああ、もし生まれ変われるなら。
神内功にだけはなりたくない、と。
無気力ながら、願ったのだった。
お世話になります、いとうヒンジです。
長編三作目の連載、開始しました。
少年漫画のような王道を軸に、主人公の成長や種族間差別についても、書ければと思っています。
もし拙作に興味を持って頂けたら、ブックマークや評価等、して頂けると幸いです。
それではしばらくの間、冒険にお付き合いください。
よしなに。