異世界なんて大嫌いだ
初心者なんでボロクソに叩かれるの覚悟
異世界転生。それは今となっては小説、漫画、アニメなどではもう定番と言っていいほどのジャンルである。
そしてこの俺、石垣月乃はその異世界転生ものが嫌いである。
それもそうであろう突然交通事故やなんやらで死んで急に異世界に転生されたーなんて話は意味がわからない。いや、意味が分からないから異世界転生なのかもしれない。
それはともかく異世界転生の大体がチート持ちだったり、ハーレムだったりする訳なのだが…いや、なんでだよ!転生するヤツらって大体見た目は普通そこらの一般人って感じが多い印象だったりする訳なんだが、なんでモテる?しかもモテる上に強いってなんなんだよ。
お前昔強くなりたいって言って毎日トレーニングしてたたかし君のこと考えたことあるんか?
まぁたかし君はともかく俺は今異世界に来ている。
え?展開おかしくないかって?いや、それは1番俺自身が分かってるし驚いてもいる。
これは今日の朝、学校に向かっている最中の出来事であった
「ヘイ、そこの少年」
唐突にそんな女性っぽい声が後ろから聞こえたが無視して前進する
「いやいや、無視しないでよ〜こっちだよ、こっちを見て」
俺は1回深いため息をつき後ろをむいた
「やぁ石垣月乃くん」
「いや、誰だよあんた」
ホントに知らない人だったがその容姿はとても美しく、神々しく思えた。
長い髪や大きい瞳、そして純白の肌などはまるで創りもののようにも思えた。
俺が彼女の体をマジマジと見ていたのか、何かきずいたように「ああ〜」と小さく言った
「この身体ね」
そんなの声が聞こえた瞬間であった。
なんと彼女の体は、俺によく似た体になっていた。
「この体はね、創りものなんだよ。ただの入れ物さ。お望みとあらばどんな体をにでも変身する事ができるけど…」
「あ、あんたは一体……」
「なんて言えばいいかな…あっ、私は神だよ。名前なんてないただの神様さ」
その言葉には嘘は感じられなかったし、今、目の前で容姿が変えられてるとこを見ると、現実的ではないが信じざるを得なかった。
「えっと、その神様は俺になんの用ですか?」
「その前にちょっと待ってね」
その自称神はポケットの中に手を突っ込み1枚の紙を取り出した
「石垣月乃くん2004年6月6日生まれ、第1高校の生徒、性格は人当たりが強い、その性格のためほとんど友達はいない、そしてオタク気質、宝物、すなわちエッチな本の場所はクローゼットの中の下から2番目の……」
すらすらと読まれていく文章に俺はとても驚いた。俺のの誕生日や性格は誰かに聞いたとしても俺の宝物場所を知っているなんて…親父にもバレたことないのに!
まぁ神ならそれくらいは知っているかということで俺は納得してしまった。
そんなの考え事をしていると、感情を読まれたかのように
「私は何でも知っているからね」
「さっきの君の質問の石垣くんになんの用かって話なんだけど、君を異世界に招待しようと思って」
この神の言ってることが訳が分からなかったなんで俺が異世界に?
意味がわからないので聞いてみると
「君は異世界ものが嫌いなんだろ?じゃあ、1回異世界に来てもらってどんなに素晴らしいか、というのを見せつけたかったのさ」
「いや、それは俺でなくても良いだろ!俺の他にも異世界ものが嫌いな奴らなんてたくさんいるだろ!」
俺は心底そう思った。なんで数あるオタクの中の異世界嫌いの中から俺が選ばれたんだ、とそう思った
「ふっふっふっ……知りたい?」
「あ、あぁ」
ま、まさか俺が1000人に1の人材だったり!?まぁ、そこまで言われたら異世界に行くのはやぶさかではないけど?
「クジ引き」
「は?」
「だから〜クジ引きだよ、適当に決めたに決まってるじゃん」
「‥‥」
なんなんだよこの自称神!!捌いて食ってやろうか?
「えーと時間ないからもう飛ばしちゃっていい?」
「は?いやちょっとまてまだ行くとは…」
「行ってらっしゃ〜い」
その声が聞こえた瞬間体が光に包まれて異世界に飛ばされた
はぁ〜思い出しただけでもイラついて来た
「よし!あいつ殺そう!絶対殺そう!」
そう心に決め周りを見渡してみると
「んで?ここどこだよ」
「ここはサクルナ平原でございます」
「ふーん…………って誰!?」
急に隣に女の子が立っていたので驚いてしてしまい大声を出してしまった…いや、これは誰だって驚くか。
「私は神の使いの者です。天使とも言います」
「んで?天使さんがなんの用?」
この天使さんよく見ると、とても可愛い見た目をしていた。ショートカットに金色の髪、そして純白のワンピースを身にまとっていた。
「えーと神様からこの世界をナビゲートして来いと言われて…」
なんだよあの神!この天使の子が可哀想だろ!やっぱりあいつ殺そう。
「えっと…災難ですね」
俺がそういうとその天使はとても暗い顔をしていたので同情しかけた瞬間
「くっそふざけんなあの神!!なんで私が!この時期天使長候補の私がこんなガキの案内しなきゃ行けないんだよ!」
えっ何この子怖い
「えっと天使さん?」
「おっと失礼しました。取り乱してしまいました。」
さっきとの変わり様ですげぇなと感心していると
「えーとですね、まずはこのサクルナ平原を抜けるとセンカリア王国というのがあるのでまずはそこに向かいましょう」
なんか知らぬ間に方針が決まってしまったがそれよりも先に、まだ名前を聞いていなかったので恐る恐る聞くと
「あのーその前に名前聞いてもよろしいでしょうか」
「まずは自分から名乗ってくださいこのヘタレ」
何この子怖い、特にキャラが読めないところとか
「俺の名前は石垣月乃よろしくお願いします」
震え気味の声でそう言った
「ふーん、私はイノと言いますよろしく」
なんだろう怖いというか苛立ちの方が強くなってきた気がする。
「まぁとりあえずセンカリア王国に向かいましょう」
特になし