神様と運命の出会い
ブクマ、評価入れてくださった方々、ありがとうございます。感想なども宜しければお願いします。これからもぼちぼち投稿を続けたいと思います。
……とりあえず……これは話したほうが良いのかの?というわけでワシは軽く咳払いをすると、改めて婦人の方を見やり……
「…あ、えーと。ワシ、一応神様、やらせてもらってる者です……どうぞよろしく……」
いかん。仮にも神を名乗るワシが、こんなへっぴり腰では舐められてしまう。どれだけ中身がクソであっても、体裁だけは取らねばなるまいて。
「……まぁ、神様だなんて、本当にいらしたのね。今どき死人も多いでしょうに、ご苦労様です……。私、梅田麗子と申します……どうぞよろしくお願いいたします……」
礼儀正しい方じゃのう……。最近の欲望にまみれた若者とは明らかに違いよる。こういうのをホントの聖人というのかのう……。
おっと、またぼーっとしてしもうた。そんなことより仕事じゃ、仕事。
「……え、えーと、じゃな。ここに来られたということは、その……転生、をご希望という事で、よろしいのですな……?」
「……?転……生?輪廻転生のことかえ?私も次の生を賜る時が来たんじゃのう……ありがたやありがたや……」
……どうも、先ほどから会話が少し噛み合っとらんようじゃが……。まあ、兎に角転生希望なのは間違いないようじゃな。
「……それで、貴方は転生して何をなさるおつもりなのですか?ここに来られたという事は、転生に対する強い願いが、あると思うのじゃが……」
本来であれば、この段階でどんな能力が欲しいか、どんな異世界に行きたいかを尋ねるのじゃが、ワシはついこのように問うてしまった。
こんなご高齢の方が転生を希望するなど、初めてのことだったのじゃ。まぁ大体年寄りは死に際に「大往生じゃったよ」とか「ワシの人生に一片の悔いなし!」とか、言うんじゃろ?しらんけど。じゃから、あんまし生まれ変わりたいなどと、思わないようなのじゃ。
それなのに、この人は来た。であれば、よっぽどの何かがあるに違いなかろう。
「……そうねぇ、わたしゃ、人助けがしたいねえ……」
ひ、人助け????
「……私は生涯独り身じゃったが、たくさんの人に巡り合えてな……いつも、助けてもらってたのじゃ。年を取ってからは特にのう……。じゃから、こんど生まれ変わったら、世のため人のために、なりたいんじゃよ……」
よよよよよよ……なんともまぁ、健気な御方なんじゃ……神様じゃ。この人、絶対神様じゃ!!
ワシみたいなろくな力を持っていないジジイよりも、この方の方が神にふさわしくないかのう!?
それに、今ある能力を全部授けたら、ワシ、神界から用済みになるわけじゃし……。
……………………。
よし!!ワシ決めた!!
「よ、よいじゃろう!!貴方の願いをかなえよう!最高の転生場所を用意し、ワシの持ってる(くそ雑魚)能力もすべて授けよう!」
「あらあら、そんなに気を使わなくても……神様も色々ありますでしょう?私は人助けができればそれで……」
「そんなに謙遜なさるな!貴方にはそれほどの価値がある!!ただ……
ワシも、一緒に連れていってはくれぬか??」
ワシ、麗子さんについてくーーー!!
次からは三人称で話が進みます。予めご了承ください。
ブクマ、評価お待ちしています。