表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/39

第1話 俺様のプロローグ(3)

こたつ布団を押しのけて、急いでもぐり込んだ。ほっと一安心。


「なんだこりゃ? 突然あらわれやがった」


あの臭い人の声かな? どっか行ってくれないかな〜


外からガンガンと大きな音がするけど、ここなら大丈夫のはず。こたつに潜り込んで良いのは俺様だけだ。パパやシローが潜るとママに怒られるからな。

あの人だって入ってこれないはずなのだ。たぶん。


「ちっ、くそ、なんかの結界かよ?! びくともしやがらん」


うん、入ってこれないみたいだぞ。ちょっと安心。毛づくろいをして落ち着こう。

まずは背中をペロペロと。胸元もペロペロ。さて、しばらく様子をみるかなと。


そうえいば、さっき出てきたのは何だったんだろう。画面みたいなやつ・・・・・あ、また出てきた!

これは、「文字」ってやつだな。いままで知らなかったけど、今は解るぞ? どうして????


名前、みーちゃん、俺様の名前だな。


HP? MP? なにそれ? 美味しいの?


こたつは・・・こたつだな。俺様のお気に入りの一つだ。

パパの足が入ってくると凄く臭くなるのから、その時は お気に入りじゃなくなるけどな。


無限収納って何なのさ? 食べられるの?


------

収納リスト

1) 猫用ドライフード(チキンと野菜味) 1.6kg x 数量エラー表示できません

2) 猫用ドライフード(マグロと野菜味) 1.6Kg x 数量エラー表示できません

3) 猫用ドライフード(カツオと野菜味) 1.6kg x 数量エラー表示できません

4) 猫缶(マグロ味) x 数量エラー表示できません

5) 猫缶(チキン味) x 数量エラー表示できません

6) 猫おやつ(シーフードミックス) 20本入り x 数量エラー表示できません

7) 猫おやつ(とりささみ) 20本入り x 数量エラー表示できません


おおお! 無限収納って美味しそうだ!!! 猫缶って、あの硬いのに入ってるやつだよね? ちょーだい!!!


来た! 猫缶だ!


よーしいただくぞぉ。さっそくかじりついて・・・れれ?

この硬いのを開けないと食べられないじゃないか!!!


爪でカリカリ引っ掻いてみる。パチンって引っかかるけど、上手くいかないなあ。やっぱり人に開けてもらわないと無理。

でもここに人は・・・・・あ、居るぞ。あの臭いやつ。


猫缶を鼻先で押しながら、こたつ布団をくぐる。ちょっと疲れる。猫缶を出して自分も外に出た。


やっぱり居た臭い人。

「なんだおまえ、魔物かと思ったらヌコか? しかしこの妙な結界は・・・・」


よくわからない事を言っているけど、ちょっと頼んで見よう。

「にゃーーっ」

「おまえなんで、こんなとこに居るんだ? 飼い主とハグレたのかよ?

ん? そりゃなんだ? 妙なアイテムだな?」


うーん、こいつわかってないな。

しょうがないもうちょっと頑張ろう。鼻先で猫缶を押しながら臭い人に近づく

「ミャ〜〜〜」

「ん? くれるのか?」


おいおい、勝手に取るんじゃないぞ、俺様のごはん!

猫缶を拾おうとした臭い人の手を素早く猫パンチ! ちゃんと手加減はしてやったからな、感謝しろ。

「イテえ! なにしやがる! くれるんじゃないのか? なんだ?」


うーん、こいつ頭わるいなー・・・

猫缶を前足で引っ掻いて引っ掻いて、臭い人をちょっと見上げる。こんな感じなら解るか?

「えーと、つまり、この中に何か入っているのか? 出せばいいのか?」

うむ、やっと理解したな臭い人め。


臭い人は、足元から小さい包丁(ナイフ)(といってもママがいつも使っているくらいの大きさ)を取り出すと、猫缶にさくっと突き刺した。うわああ、危ないだろ。俺様の鼻先かすめてるだろ。


お? 匂いがしてきたぞ? くんくんくん、あーこれは俺様の好きな味じゃない。隠そう。前足をかいて猫缶に土をかける。まず右足、次に左足。ちょっと匂いを嗅いで確認。おっけー、仕上げに後ろ足で土をぺっぺっぺっぺ

「うあっぅてめえ何しやがる、きたねえじゃねえか」

あんたも臭いんだから文句いうなよな。


臭い人は、土をかぶった猫缶を拾い上げると、中身を包丁の先でちょっとつついて。ほら、あんたも嗅ぐでしょ? 臭いでしょ?

「なんかこれ、うまそうな匂いしてるな。俺にくれるのか?

それにしちゃ、土かけてやがるし、訳わからんやつだなオマエ。

えーとな・・・鑑定・・・」

臭い人から、ふわんと何か気配が飛び出した。

「毒は無さそうだな。ちょっともらうぜ? ふむ・・肉だな」


むしゃむしゃ食べだしたぞこの人。

ちょっと俺様のごはんはどうなるのさ。あ、もう一つ出そう、さっきのと違うやつを・・・2つめにあるマグロ味ってのを出そう。ちょっと使い方が解ってきたぞ。


ころん!っと出てきた猫缶。どっから出てくるのかは俺様どおでもいい。

「ミャ〜〜〜」

さあ、これを開けるのだ臭い人! こら気づけ!

「お? もう一つあるのか? 俺はいいからオマエ食わないのか?

開けてやるから食え」


だから俺様のごはんだよ!!!


臭い人は、また包丁を猫缶にぷすっと刺してパカっとフタを引き剥がした。

「ほらよ」

何度も言うけど、俺様のごはん!!


お〜これこれ、ママが時々くれた美味しいやつだ! はぐはぐはぐ

「なんだ、腹減ってたのか? おまえ・・・・・ヌコにしちゃ妙なやつだな?」

うん、美味しい。なんか言ってるけど、俺様関係ないもーん


「でもよ、白ヌコは幸運を呼ぶって婆ちゃんが言ってたぞ・・・俺の婆ちゃんはな、村で・・・・・・」

なんか語りだしたぞ。めんどくさい。ほっとこう。ごはん美味しい。

「〜という訳でな。オレはハンターを目指したってことさ」

食後のグルーミングをする頃には、なんかちょっとした物語が終わったらしい。


まあ、それはそれとして。

「にゃーお」

鳴いてみた。


俺様が何か意味のあること言ってると思うだろ?

特に無いんだよ意味なんて。だって猫は喋れない。何でも良いんだよ。

適当にニャーって鳴いとけば、人は勝手に話を進めて行くんだよ。

「そうか、オマエ一人なのか。おれと一緒にくるか?」

な? 勝手に話が進むだろ?


---- Copyright (C) 2019 by Wanco @nyanco_syosetu ----

□アルファポリスでも掲載中 (アルファポリスが少し先行しています)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説を声で届けるライトーンで掲載中
image みーちゃんのヌコ探しがボイスブックになりました。
あらすじ声優:鈴風さん
俺様のヌコ探し 声優:すみちゃむさん声優:なつさん
こちら:https://www.writone.jp
声の演技でこんなに生き生きとキャラクターが動き出すなんて感動です。
ボイスブック化してくれた 鈴風さん すみちゃむさん なつさん ありがとうございます。

小説家になろうSNSシェアツール

小説家になろう 勝手にランキング
cont_access.php?citi_cont_id=859274774&s 小説家になろうアンテナ&ランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ