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妹のいう事が分からなくなってきた…

い、生きてた…?


「なあ美希、女子をお茶に誘うのって、どうしたらいいんだ?」

「んぐっ!!ゲホッ!ゴホッ!」

「おい!大丈夫か!?」


美希がいきなり盛大に噎せ出した。そんなに驚く事か?


「か、かず兄。い、いきなりどうしたの?」

「いや普通に、どうしたらいいんかなって気になってな」

「まさかかず兄、好きな人出来たの!?誰!?誰!!?」

「い、いや、そういう訳じゃないんだ」


俺は美希に今日あった事を話した。


「へー、そんな事があったんだ〜」

「おいなんだその何か言いたげな笑みは。可愛すぎて思わず抱きしめたくなるだろ」

「はぁ…。かず兄はいい加減シスコン辞めた方がいいよ」

「俺はシスコンなどでは断じてない!何故なら俺はお前の事を女として…申し訳ありません冗談ですのでその手に持った包丁を置いてくださいお願いします」


無言で包丁を取り出した美希の瞳には、一切の光が灯っていなかった。一線超えた発言はダメみたいですね。


「かず兄にはやっぱり彼女が必要だよ。そのシスコン、早く治さないと、手遅れになるよ」

「既に手遅れという意見もありますが」

「だったら尚更治す!」


美希は声を少々荒げて怒る。ごもっともな意見です。


「そ れ と、その子、絶対に逃がしたらダメだからね!」

「逃がしたらダメって…逃げられたばっかなんだが」

「い い か ら、何としても、物にするんだよ!」

「お、おう。よく分からんが」


その後も、美希に色々と言われたが、半分くらい意味が理解出来なかった。女ってよく分からんなぁ…


――――――――――――――――――


はぁ…。美希は何故あそこまで熱くなってたんだろう。なんか常にちょっと笑ってた様な気がする。


結局、美希からはアドバイスらしい事は何一つ教えてもらえなかったし、どうすりゃええんや…


一応あと一人、相談出来そうな奴はいるんだが…あいつ苦手なんだよなぁ…


あいつに教えをこうなんて、馬鹿にされる未来しか見えないが、背に腹は代えられないか。


スマホを取り、数少ない連絡先の中から、奴の番号を引っ張り出す。奴に電話を掛けると、数コール後、奴が電話に出た。


「花崎から連絡なんて珍しいじゃん。どうしたん?」


電話の相手は乙宮だ。

「実は相談があってな」

「ふーん…。いいよ、聞いたげる」


意外な事に、すんなり聞いてくれるみたいだ。珍しい事もあるもんだ。


俺は今日の出来事を話す。


「ふーん…。なるほどね〜」

「何だよその意味深な言い方は」

「花崎も隅に置けないなって」

「全然意味が分からん」


美希乙宮も、相手に伝わる様にいうべきだと思います。


「てゆうか、花崎はその子と接点とかってないの?」

「ん?ああ、会った事無い、と思うぞ」

「何それ。じゃあ名前も分からないって事?」

「そういう事になるな」

「そんな関係なのにデートに誘うなんて、いい度胸してるよ」

「そもそもデートなのか?」

「男女二人で遊びに行くのって、デート以外ある?」


まあ確かに、そう言われればそういう事になるかもな。


「とりあえずさ、今後、その子関連で何か困ったことがあったら、うちに相談して。多分力になれると思うから」

「えー、なんか色々遊ばれそう」

「花崎がえー、って言っても全然可愛く無いよ」


知ってるよ!いちいち言わなくてもいいじゃないか!


「まあどうでもいいや、じゃあよろしくね」

「ちょ、おい!」ブツッ


切りやがった…。


相談してって言われてもな…。いじり倒されそうだし、話したくねぇな…。やっぱりあいつに話したのは間違いだったか…


――――――――――――――――――


まさか花崎からあんな相談をされるとはね。


花崎は気付いてないみたいだけど、その子、絶対花崎の事好きだね。というか普通分かりそうだけど。


ほんと、花崎は面白いなぁ。見ていて全然飽きない。鈍感だし、馬鹿だし、変人だし。あいつのファンがあいつの本性を知ったら幻滅しそう。


そういえば、その子はなんで花崎の事を好きになったんだろう。あいつは面白い奴だけど、赤の他人と親しくするなんてないからなぁ。


まあそれも、その子に直接聞いたりとかすればいいか。その子とは仲良くなれそうだし。


さあて、これから面白くなるぞ!まずはその子の事を調べて、それから花崎にちょっかい出して、そして二人をくっつけて、そしたらまた花崎をからかって。


うん。すごく面白そう。あいつは文句言ってくるだろうけど、まあ多分大丈夫でしょ。あいつから相談してきたんだし。花崎、覚悟しといてね。



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