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『かまわないよ、何の力もない君がこれから長い時を一人で過ごすんだもの、
直接何か手助けをすることはできないけど疑問に答えたり話相手くらいにはなってあげる』
神様(もう仮はやめとこう)は僕のスマホに神様に音声でも文章でも連絡が取れるアプリ的なものを
入れておいてくれるといった後
『いつでも連絡するといいよ、すぐには取れない時でも折り返してあげる』
優しい声でそう言ってくれた。
「ありがとうございます。神様」
僕がお礼をいうと、ウインクでもしてそうな声で
『気にしないで!私も暇な時間を持て余しているからね♪だから君から連絡がなくても
たまには私から連絡してあげるよ』と言って電話を切った。
なんだかいっきに部屋が静かになった気がする。
「さてと、掃除再開しますか……。」
再びオタ部屋に戻り僕は黙々と掃除に精を出したのであった。
掃除が終わった僕は、ベットに寝転んでぼーっとしていた。
体も精神も疲れ切っていた。
食事も忘れて掃除にのめり込んでいたし、なんか食べたほうがいいんだろうけど
今はそんな気分ではない。お腹は減っているはずなんだけれども……。
神様と会話をしているうちはまだ余裕があったみたいで
一人きりになってじわじわと、いろんなことが染み込んできて、体も重いしのどに何か詰まったみたいに
苦しくなっていた。
いくらほとんどこれまでと変わらない生活ができるといってもここは異世界
もう家族や友人には会えない…ってことだ(仕事しなくてよくなったのは嬉しいが)
ネット環境がそのまま使えるのであれば、もしかしたら友人とボイスチャットとかできるんじゃないか
とかスマホ使えるなら友人に電話すればいいんじゃないかとか考えて
いろいろしてみたのだが、出来なかった。
通販サイトをみたり、巡回しているまとめサイト等はみれても自分の元の世界の人間との接触は
出来ないみたいだった。
オンラインゲームも、チャット機能のあるやつはダメだった。ゲームできるけど
コミュニケーションはまったくできない。なんだこの変な仕様は……。
つまり、現状会話の相手は神様のみ
これは辛い
何とか異世界で、友人とまではいかないでも、会話のできる相手を探したほうがいいのかもしれない
そんなネガティブなことを延々と考えてながら
僕の意識は沈んでいった(寝落ち)