ある少女の祈り2
あの後、奥さんが裏まで連れて行ってくれて、残りの時間は裏で雑用をして過ごした。
なんとか髪の色を戻そうと普段はしないくらい念じたり色々してみたが月の物が終わるまでは
うまく戻ることはなかった。
今思えば、大人になったことによって力の制御ができなくなってしまったのだと思う。
それ以降も月の物が来るたびに色が戻り誤魔化せなかったから。
奥さんは、私を辞めさせたりはしなかったけれどそれからは裏口での作業が主になり
月の物がある日は、お休みをもらっていたのでそれを理由にもらえるお金が減った。
でも仕事をさせてもらえるだけでもありがたかったから何も言わずに働き続けた。
村の人達は、前と違って遠巻きに私を見るようになった。
物は売ってくれるけどどこか怯えていて 前みたいに話をしてくれることもなくなった。
私の正体がばれて半年、村に病気が広まった。
亡くなる人が次々出てきて、5人超えたところで
私が疫病神だから病気が広まった。あいつを追い出さなければと誰かが言い
また別の誰かはあいつにひどいことをしては祟られるといい
ありとあらゆる憶測が飛び交い
ますます私に近寄る人は出てこなくなった。
雇ってくれていた奥さんも
『もう明日から来ないでくれ』 と最後の給金をくれて私は仕事をなくした。
そのお金で買い物を済ませて家に戻る途中で、どこかから石が飛んできた。
石は、私の腕に当たって持っている荷物を落としてしまう
しゃがんで荷物を拾おうとした私にまた石が当たる。
痛みにうずくまっていると次々石が飛んできた。
石はいろんなところに当たって私の顔から血が流れる。
しばらく待って石の数が少なくなってきたところで荷物をもって走って逃げた。
痛む体を引きずるように歩いた。
しばらく歩くとぽつぽつと雨が降り出したけど痛みで走ることもできなかったので
教会までの長い道をゆっくりと帰った。
教会にたどり着いたころには雨は激しくなっていて、私の体は上から下までびっしょりと濡れていた。
そのまま部屋に入って入口で服を脱ぎ、
干してあったタオルで軽く体を拭いて寝床へ倒れ込みそのまま眠ってしまった。
ふいに、寒さで目が覚めた。
タオルで隠れていたのはお腹だけだったのでほぼ裸で眠っていたみたいだ
のそのそと起きだしてそういえば買ったものも放り出してたなと思い出して
とりあえず近場にあった寝間着を着てから片づけをして
今度はきちんと布団に入って眠った。
次に起きた時、昨日きちんと服を着て眠らなかったことを後悔した。
痛みと熱で体が動かなかったからだ。
怪我のせいもあるのだろうけど確実に昨日の雨で体調を崩していた。
なんとか体を起こしてみたがやはり熱のせいかふらついてしまう。
薬なんて高価なものはうちになかったからこれは熱が下がるまで大人しくしているしかないだろう。
寝床の近くに机を移動させて、その上に食料と水を置きなるべく動かなくて済むようにして
私は大人しく眠ることにした。
体の痛みでなかなか眠れなかったがそれでも熱のせいか一応眠ることはできた。
しかし、夢見はとても悪かった。
夢の中では、村の人や生まれた村の人間が私に次々と石を投げたり
殴りかかってきたり嫌な言葉を投げつけてきたりするのだ。
その度に汗びっしょりで目が覚めて、軽く体を拭いてまた眠る。
夢を見るのがつらくて、そのうち目をつぶってうずくまって神様に祈った。
「神様…神様…助けてください」
「もう痛いのも辛いのも嫌なんです」
「神様…神様…痛いんです」
「苦しいんです、辛いんです」
「助けてください 助けてください」
そうやって過ごした。
なかなか熱が下がらなくて、そのせいで日付の感覚も狂っていたと思う
だからあんな幻を見てしまったんだ
私の目の前に 神様が現れた……。




