眠れない原因を潰すことが大切
声が聞こえ始めて4日目、流石に今日こそ何とかしないと僕の精神が危ない
いくら部屋限定不老不死と言っても僕自身にチートな能力など存在しないのだから
今日もベットに寝転んだまま過ごす。
オタ活は中断、睡眠不足で全く集中できないからだ。
(やはり睡眠はとても大事ですわー)
仕事してるときでも割と睡眠はとれていた方なので今回みたいな睡眠不足は初めてだと思う。
<心霊現象(仮)で眠れないとか意外と繊細だったのね僕……。>
「ねむ…」
うとうとと、意識が沈みかけたところで
<<たすけて…>>
また声が聞こえた。
僕は起き上がるとなんとなし辺りを見廻す。
<<かみさま>>
今日は、僕が完全に覚醒しても声が消えたりはしないようだ。
<<苦しい>>
声が上から降ってくる。
多分…外から聞こえてるんだろうそんな気がする。
最初のころよりはっきりと聞こえる声は、だんだんとか細くなっていってるような気がする。
「外にいるのかな?」
そう思って、僕は玄関まで歩く
ドアを開けて、出ていこうとして思い出す。
後頭部の痛みを
なので急遽玄関前で匍匐前進のポーズをとりそろそろと手を境界から出すことにした。
死ななくても頭は痛むのだからなるべく痛い思いはしたくないのである。
例え見た目が潰れたカエルみたいに間抜けであっても
安全には変えられないのです。
じりじりと出した手が境界を越えたところで僕は体から抜け出る。
2度目の幽体離脱は、すんなりいった。
(手だけでも全身いけるんだなー)
と思いながら玄関を振り返るとものすごく間抜けに倒れた僕が見える。
そして、境界に伸ばしたはずの手はどうやってかは知らないが境界の内側に戻っていた。
不思議現象ではあるが、今はそんなことを気にする暇はなさそうだ。
やはり少しづつではあるが声が細く小さくなっていっている気がする。
改めて真正面をみるとそこは真っ白な空間だった。
どこまで歩けば外に出れるのかはわからないけれど
急いだほうがいいだろう。
僕は早足で歩きだす。
僕の安眠の為、そして夢見が悪くならないために……。