(5)
幕間的な。
そういうことで、契約書類を交わし(ハンコはもちろん持ってきましたよ。常識ですから)、琴さんと次回の打ち合わせをする約束を取り付け、僕は自宅……埼玉王国のメインタウンのひとつである草加市に戻った。
……つかれた……
僕は自宅(一軒家である)に戻って、しかし宿題である始末書を書かねばならないので、速攻自室に戻ろうと思ったら、僕の愚父がおめでとう、といってくれた。これは染みたね。父に認められる、というのは、やはり息子としてはうれしいものだ。その代償が、猛烈なハグ……しかも首筋に熱いベーゼをかまそうとした、というのは、いかがなものかと思われる。当然拒否しましたわな。
とりあえずやることあるから、長話はしてられないので、僕は二階の自室にGOであったが、どうもこの愚父の猫っかわいがりは、息子離れという点で、いかがしたものか。それもただのオッサンというよりは、完全なる繊細系のイケメンなので、なんかみょんな気分になってしまう。昔からこうであったが、最近とみにスキンシップが多くなってないか?
まあいい。僕は中二改造制服を脱ぎ、部屋着に着替え、デスクトップPCの前に鎮座し、主任に言われた超絶難度の始末書書きをしたためる……まえに、主任と琴さんがチェックをいれてくれた原稿を、つぶさに見てみることにした。
プロの編集者が見てもらって、価値を認めてもらって、こうしてコメントを書いてくれるというのは、やはり、高ぶるものがある。そういうのとは、無縁だったからね。そしてより一層、 僕は自分がプロになっていっているのだ、という感慨を確かにしていく。
読む。
読む。
読む……
次回以降、ゆうせんせいと琴さんの打ち合わせ回が続きます。
よろしくおねがいします




