準備は着々と
さてさて、ヴィンスレット辺境伯領に戻ってお屋敷が完成するまでは領主邸にお世話になることになった。
殿下は一旦、私と伯父様との養子縁組の手続きのために王都へ伯父様と一緒に行った。
伯父様の仕事は一旦伯母様とマリエラお姉様が代行している。
二人も普段から伯父様を支えているだけあり、仕事が早く領地運営にも抜かりはない。
街道沿いを行くので最短でも移動に五日、手続きに五日、また移動に五日は掛かるので半月ほど領主が不在になるが、それでも問題ないのは伯母様とマリエラ姉様の手腕が見事だからに他ならない。
そして現在の私は、お屋敷の建築現場で内装の指示出しを伯母様と共にしているところだ。
辺境伯領主邸の内装も現在の物は伯母様の采配でリフォームしたそうで、大変綺麗で雰囲気も抜群なのでアドバイスをお願いした。
伯母様はそういった内装関係や家具を選ぶのが大好きなのだそうで、大変喜んでご協力いただいている。
「ここは淡いクリームに金の装飾で豪華にするのが良いわ。大広間ですもの。イベントごとに使う部屋は華やかなのが良いわ。その代わり自室などのプライベートルームは落ち着いた雰囲気にするのが良いわ。ロッティはカントリー風が好きだから淡い壁紙と木のぬくもりが感じられる空間にしましょう」
そんな伯母様の提案に頷きながら各部屋の壁紙を選び、家具を選び、着々とお屋敷は完成に近づいていき、最後はこれから生まれる子の子ども部屋となった。
長く使えるように可愛らしいけれど上品な雰囲気の部屋を用意した。
女の子だって聞いているから、それでもピンクとかで決めず淡いクリーム色で統一した。
その後子どもの好きなもので部屋を埋めてあげたいと、あえて最初は温かみはあるがシンプルにしておくことにしたのだ。
少しづつ子どもの好みの部屋が出来ていくのを見るのも楽しそうだからと言えば、伯母様は大いに同意を示してくれて子ども部屋の作りはそれで落ち着いた。
一番難航したのは私と殿下のための自室である。
私の個室は私の好みで整えたが殿下の部屋はやはり殿下にお願いすべきかと思ったが、共用の寝室やリビングは私の好みで問題ないと殿下に言われた手前、そのように手配した。
殿下の個室はそのままお帰りを待とうと思ったが、そんな折に通信魔法が入ったので応答すれば殿下は自身の個室は私の部屋の色違いで良いので手配しておくようにと言う。
殿下は私の瞳の色の琥珀色で布製品は揃えてほしいとも。
そんな話を近くで聞いた伯母様はにこにこと実に楽し気にしながら業者を呼んで手配を整えていたのだった。
そうして、半月の間を準備をしながら過ごしているうちに伯父様と殿下が戻って来た。
王都の教会の大司祭様を連れて戻ってきたことに、私も伯母様もマリエラ姉様も驚いたまま、一時領主邸の玄関で固まったのは言うまでもない。




