プロポーズの先に3
「えぇ、この子のこともすでにご存じの殿下から逃げれそうにもありませんし。殿下の身分的に大変なこともありそうですが、大切にしてくださいそうですから」
私の言葉に、もちろんというように甘い顔して頷くのだから美形ってなにしても美形なんだなという感想が頭によぎる。
魔法も学問も優秀で、王太子であるお兄様を補佐する立場であるという態度をゆるぎなく出していた。
優秀ゆえに、トーラス様を王太子になんて囁く貴族にもトーラス様は自分は第三王子、兄を補佐するのが役目ですとお立場に関しても表明は一貫して変わらなかった。
コルネイン公爵はトーラス様を担ぎたい筆頭だったから、それもあって妃候補に自分の娘を押し込んでいたけれど。
自分の確たる立ち位置を決めてる殿下には合わなかったでしょうねと思います。
「シャルロッテがそう決めたなら、私たちから言うことはないよ。グローレルもシャルロッテの意思を尊重すると手紙を書いて来たし。ただ、殿下に嫁ぐなら子爵家ではどこかしらからケチが入るだろうと予測して家への養子縁組届もすでにグローレルが準備してくれたよ」
本当に、こういった手続き関連は仕事と同様に動きが早いのよねお父様は。
家族の対応もこれくらい早ければ何も問題なかったのにと思うけれど、過ぎたタラればは言っても仕方ない。
「分かりました。お手数おかけしますが、手続きよろしくお願いいします」
私と辺境伯である伯父との会話が終わると殿下が口を開いた。
「あぁそれと、今回で外交担当としてヴィンスレット辺境伯領に私は根を下ろすことになった。臣籍降下してクーウィル公爵を賜ったよ」
はい?いつの間に王族から元王族になる手続きを?
私の疑問はしっかり顔に出ていたらしい。
トーラス殿下は微笑んで言った。
「ここからならあの家にも息抜きに休みに行きやすいし、マクレガー領もラクレット領もお隣で友人にも会いやすいだろう?それに王都よりのびのび子育てできる環境に、手助けしてくれる親族の側は安心感が違うと思うし。だから、こちらに私が居を構えるほうが安心だと思って準備した」
たしかに、私の環境としては最高だと思いますしのびのび子育てにも環境がばっちりだと思います。
でも、それだけで臣籍降下していいの?それでいいの?という疑問はトーラス殿下の内密の話で解決する。
すでに次代の王太子様は結婚から三年、なんと王太子妃は初めての子をご懐妊中であと二月ほどでご誕生らしい。
次世代の次世代も産まれることで王族が増えるためスペアのスペアである自分は臣籍降下しても問題ないと判断し国王陛下に提案、採用されたのだという。
王族同士は仲が良いのであるが、その人数が多いと祭り上げる人が多いゆえに火種になりかねない。
キャサリン嬢の父であるコルネイン公爵のように。
娘を送り込んで、婿を次期国王にという画策はしっかり露見したし、媚薬の密輸入とその使用を娘に指示した者として公爵はしっかり捕縛されて今は幽閉されたという。
キャサリン嬢もヴィンスレット辺境伯領とは反対の辺境の修道院に送られて、一生をそこで過ごすという。
僻地の修道院はさぞかし大変だろうが、そういった令嬢や貴族夫人の送り先なので仕方ない。
魔力もしっかり封じられて送られたというので、その点は安心かもしれない。
彼女は自身の魔力量の多さで、その魔法の威力によって人を従えたり従属を強制する人だったから。
そんなこんなで媚薬事件は媚薬を隠しつつも毒殺未遂事件としてしっかりすでに沙汰は下っていたというのが判明し、その点は安心したのだった。




