再会は唐突に4
「その後は各授業での様子や、授業後に残って独自の研究をしていたことや、こっそり四大元素魔法を使っていたりとか、そんな様子を見ていた」
それ、ほんのりストー……ゲフンゲフン。
「魔法騎士科が実地訓練で怪我したのを聖魔法の実地訓練で治す様子や、薬学の授業後にもそのまま楽しそうに調薬する姿。図書室での自習時間も薬学や魔法薬学の本をよく読んでいた」
うん、よくご存じで。
家に帰ると散々なので、なるべく自分の学習時間も確保したくて学園で放課後よく勉強したわ。
ほかの令嬢は社交よろしくカフェテリアでお茶会していたものだけれど。
聖魔法という唯一無二の属性持ちの私は別待遇が多くて子爵令嬢という割にはそういった社交に呼ばれることが少なかった。
のちのち国の中枢である王宮魔術師団所属になるのは分かり切っていたし、普通とは違う道に行くのを分かっていて令嬢はそこに時間を割かない生き物だから。
彼女たちの戦場は私の物とは違い、そこもそこでシビアなのだ。
そういった社交をしない私でも、クリスティアとマノンは気にせず接してくれてたまには息抜きしましょうと定期的にカフェテラスとは別にある中庭などでお茶に誘ってくれたものだ。
「いつも穏やかで、時に楽しそうに、時に考え込んでそれでもいつも前向きでひたすらに真面目だった。ほかの貴族令嬢にはないその姿勢が素敵だと惹かれた。そしてよく中庭で小鳥やリスやたまにそんな小さなものからの紹介で来る大きな猛禽類や蛇にイタチ、狐、タヌキと動物にも聖魔法を使っている姿は優しさと癒しの塊だった」
用意していたお茶を飲んでいるタイミングじゃなくて良かった。
吹き出すとこだった。
「動物に聖魔法を使うのはあまりお勧めしないけどとエイネイ様には言われていたので、こっそりやっていたと思うのですが」
目撃されていたとは思わず、ついそんなことを言ってしまう。
「そうだな、いつも動物たちにはこっそり隠れるように聖魔法を使っていたな。でも、その後元気になった動物たちは感謝していたし、たまにお返しをもらっていただろう?」
確かに、木の実とか果物とか持ってきてくれたなぁ。
くるみの時にそのまま割ってリスさんに渡したら違うよって顔されたっけ。
それで、お礼のお返しだって気づいたのよね。
その後は砂糖を使わずブレットにして、更なるお返しをしたら喜んでくれたっけ。
中庭に居ると、いつも来てくれる仲良しさんになったのよねぇ。
あの子元気かしらねぇ。
「実は、ここに来る前に学園に寄って会いに行くと言ったらすごく不機嫌な顔して付いてきた子が居るよ」
そんな言葉と共に出て来たのは、私にお礼のくるみをくれて仲良くなったリスさんであった。
「まぁ、こんな遠いところまでよく来たわね」
そう声を掛ければドアの結界魔法もすり抜けてリスさんは私のところにやってきて膝の上に乗り、お腹に前足を当ててチチ!と鳴いた。
するとポコとお腹の子がお返事している。
さすがに動きは見えないだろうが、バレないかと少しヒヤッとしたが見ると私とリスさんの交流を温かく見守っていた。
どうやら、まだ大丈夫そうである。




