再会は唐突に2
『こんな時間に通信繋いでくるのは珍しいわね。なにかあったの?』
通信にすぐに答えてくれたクリスティアに私は返事をする。
「トーラス殿下が我が家の前に来ていて話がしたいというの。でも、この子のことはバレたくないのに顔を見ないと話が出来ないと言われて。でも、私人生で一番早い反応でドアを閉めて鍵をかけて、家中の鍵をかけて締め切ってしまったの」
そんな私の現状を伝えるとクリスティアはこの状況だというのに声を立てて笑った。
『あははは、その状況の殿下を見たかった! まぁ、ドア越しではダメですか?とか聞いてみたらいいんじゃない?』
などと言うので、私は言ったことを伝えた。
「私には話すことはありません!って言ったのにそれでも顔を見て伝えたいって。無理に連れ帰ることもしないから話を聞いてほしいって言うの」
私の話を聞いたクリスティアは笑いを収めると、返事をくれた。
『そこまで言っているなら話を聞いても、良いかもしれないわ。あとこの通信を繋いだままドアを開けて、連れ出さないという言質を私も聞いたうえでドアを開けたらいいわ』
そんなクリスティアの提案から、ようやく私はドアの向こうに声をかけた。
「本当に話をするだけで、レイストン王国に連れ帰ったりはしないのですよね?」
私の言葉に殿下はすぐに反応した。
「あぁ、話をするだけだ。今日の今日連れ帰るようなことはしない。今日は顔を見て元気なことを確認したいことと、話を聞いてもらいたくて来た」
その殿下の言葉に、繋いでいた通信魔術からクリスティアが答える。
『殿下、たしかにそのお言葉お聞きしましたわ。私、シャルロッテの友人のマクレガー伯爵令嬢クリスティアでございます。今日はお話だけ、この家からシャルロッテの意思を無視して連れ出したりなさらないでくださいね』
通信魔術を使っていたのは気づいていたのだろう。
殿下も魔力量が多く魔法も二属性に無属性を多数使うことのできる方だから。
「あぁ、今日は話すだけでこの家からレイストンへ連れて戻らないとトーラス・レイストンとして誓おう」
『確かに、聞き届けました。ドアは開きますし姿は見えますが、お話だけで。家にも入らずお話しなさってくださいね』
そんな一言で通信は途切れた。
「ご無沙汰しております、殿下。とりあえず外の椅子はお使いいただいて大丈夫ですので。私もこちらで話を伺います」
大きなクッションの椅子を入り口まで持ってくると私はそれに座り、ドアを開けた結界越しでの再会なった。
とりあえず距離を取れれば、まだ少し膨らんだだけのお腹も目立たないはず。
とにかくお話だけ聞いて、この場を切り抜けなければと私は気を張ってこの再会の場に臨むことになったのだった。




