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仮面舞踏会での過ち~なかったことにはならなかったのでしっかり遁走致します~  作者: 織原深雪


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仮面舞踏会2

 学園生活を振り返りつつも、現在は仮面舞踏会の真最中。

 私は仲良しの子爵令嬢、マノン・ラクレット子爵令嬢と共に会場の大広間の軽食コーナーで綺麗に飾られたカナッペを頂いている。

「それにしても、あんなに王子に嫌がられているのにまだ諦めていないのが逆にすごいわよね」

 現在舞踏会なのでホールではダンスをする人々もいる。

 もう一人の仲良しさんのクリスティア・マクレガー伯爵令嬢は一緒に来たお兄様とダンス中だ。

 私とマノンは一緒に来た親族も居ないので、ゆったりと軽食コーナーに居るのである。

 公爵令嬢のキャサリン様はトーラス様をお慕いしていることを堂々と宣言し体現しているので、そこに割って入る猛者は現状この学年にはいない。

 次に爵位の高い侯爵令嬢であるメルビラ・ハリソン侯爵令嬢は側近のハルベス・ゲルマン侯爵令息と婚約中。

 その次に爵位の高い令嬢となると伯爵令嬢のクリスティアだが、彼女は婚約者が居ないもののキャサリン嬢の学園での状態を見て、爵位が低くご辞退申し上げると伯爵から王宮に伝えてもらい第三王子の妃候補から早々に外れている。

「そうね。ここまで空気が読めないと高位貴族と言っても社交したい相手と思われないし第三王子的にも無いのでしょうから、いろいろ難しいでしょうね」

 学園内では、もはや公爵家の令嬢と言えど王子にあれほど嫌がられているのに諦めないあたりで高位貴族も下位貴族も距離を取っている。

 地雷系令嬢である。

 そんな令嬢に執着されて、第三王子は不憫だなというのがこの学年共通認識だ。

 しかし、王子の次に家格が高いのが問題のキャサリン嬢なのでもはや防波堤も止められるものも皆無。

 ゆえに、キャサリン嬢は留まることなく殿下のお側に侍ろうと今もしっかりキープしております。

 ダンスのお誘いは殿下がどうにか断った様子。

 心の中で不憫な殿下を、頑張れと応援するしかない小市民なのですよ我々は。

 実は私にも一応声はかかったが、王族に子爵令嬢ではつり合いが取れませんと魔法の師であるエイネイ様にお断りをお願いした。

 王宮魔術師団の入団決定と同じくしての妃候補入り打診だったので、それを強要されるのならば王宮魔術師団入りを辞退しますと宣言したことで、この話はサクッと立ち消えた。

 テスト結果だけでも、子爵令嬢なのに生意気だとか言う理不尽な理由で絡まれたのである。

 同じ妃候補になどなった日には何をされるか分かったものではない。

 そんな地雷の園に突入したいもの好きはこの学年の令嬢には皆無である。

「殿下は素晴らしい方だし、臣籍降下の予定で公爵になる予定なのに。なぜ、あんな令嬢が妃候補になってしまったのか……」

 普段明るい、マノンですらどんよりさせるのだからキャサリン嬢の数々の問題行動は学園でもかなり目立っている。

 なぜ、この状況でまだ妃候補から外れないかと言えば、やはり公爵家の影響力としか言いようが無いのだろう。

 本当にこの卒業と同時に離れられることが同級生たちの何よりの安心感だろう。

 学園では離れる(物理的距離)が難しいのだから、同級生たちはみな何かしらで絡まれて苦労しているのである。




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