閑話 その頃、第三王子は2
そうして、捜索に乗り出そうとしたところリューシン殿下からストップがかかった。
「ここで国の隅々まで情報を集めてから捜索範囲を絞って探したほうが効率が良いだろう?」
そう言って、国内の情報からシャルロッテに関しそうな噂や話が無いか徹底的に拾ってもらった。
クーロン皇国は皇族が運営しているが広い国土を代官を置いて管理しており毎月定期的な報告がそれこそ小さな村の物まで集まってくるというのだ。
そうした細かな部分まで気を配ることで、国の運営を盤石にしているというのは見習うべき所であると外交としても有意義に学びながらシャルロッテの捜索を続けると、気になる報告が上がっていることにリューシン殿下と共に気づいた。
ちょうど三か月前から、レイストン王国との国境近くにある小さな村に薬師が住み始めたという報告だった。
若い女性ながら作る薬の効果も病の診断も素晴らしく医者も薬師も居なかった村は大いに助かっているという報告だ。
その後も村で彼女は作物と薬草を育てながら、のんびりとその村で調薬もしながら暮らしているという。
「間違いない。時期も場所的にもシャルロッテ嬢だと思う。彼女は魔法薬も薬学も学年トップの実力を持った優秀な女性だったから」
同じ授業を受けていた俺から見てもその授業の時間の彼女は楽しそうに学び実技の調薬もかなりレベルの高いものを平気で作っていて、王宮魔術師団が嫌になったら王宮薬師になればいいとそこから講師に来ていた王宮薬師に太鼓判を押されていたのもよく覚えている。
一緒に来ていたレイゼルも、村の位置と自身の実家である辺境伯領都との位置を確認し頷く。
「シャルロッテ姉様は騎乗も得意で愛馬が居ます。その馬となら王都を出て三日後にはこの村に辿り着いているかと。五日後に実家に着いて会えなかったので、間違いないかと思います」
レイゼルの言葉の後押しと、この報告書から捜索はレイストン王国の国境近くの村に決まった。
一週間ほどの滞在で、素晴らしい情報をくれたリューシン殿下にお礼を言いつつ帰国の際にその村に立ち寄ることが決まった。
ただ、ここにフラグを立てる者が一人。
声にこそ出さないが、レイゼルは思っていた。
こういう時のロッティ姉様は感が働くんだよな、覗きに行ったら居ませんでしたとかあり得そうで困るなとぼんやりと考えていた。
そして、それは裏切ることなく発揮されて住んでる様子は把握できたもののシャルロッテと愛馬は不在ですれ違いそこで会うことは叶わなかったのである。
うちの殿下、こんなにタイミング悪いのはなんでなんだろうとレイゼルはやはり頭を抱えてしまうのであった。
ふふふ。まだ、そう簡単には再会させませんよと何かが囁くので、トーラス殿下のタイミング悪い、不憫だなターンは続きます!




