隣国での、生活の始まり1
クリスティアが用意してくれた隠れ家の一軒家は、小さいけれどキッチンにお風呂もあるし、リビング以外にも寝室と食品庫となるパントリーに子ども部屋にできそうな少し小さめの部屋という大きくない間取りであるがリビングは暖炉もあり広々とした作りで、一部は書棚と小さな書き物スペースまで備えている。
大変使いやすく、今の私でも十分掃除も生活も行き届く空間となっている。
今日は村のベン爺さんが木材を提供してくれたので、子ども用の椅子を作り、ベッドも作った。
もちろん、ここぞと一人なのを良いことに魔法を駆使した物づくりなのでかなり短時間で大物も作成できちゃっている。
「魔法、本当に使い勝手良いのよね。ここまで使いまくる人が居ないから分かっていないだろうけれど。魔法って物作りに使うと、形も自在で強度が増すのよね」
これは魔法で物作りをする人にしか分からないだろう事実。
魔道具も、ある種魔法で作ればものすごい強度を得られそうなものだけれど……。
そこまでの魔力量の保持者がこの国に居ないわね。
致し方ないかしら、魔法使いが徐々に衰退しているのだから。
その代わりに道具が発展しているのがクーロン皇国だ。
農耕器具一つにしても、かなり発達しているのが良く分かる。
希代の発明家が居るという話も聞くし、今後はクーロン皇国の方がレイスト王国より発達するだろうな。
こんな辺境の立地の田舎にも、爺様達がしっかりと畑仕事が出来るような大型の農耕器具がありそれらは各村に住んでる人数に合わせて台数を決めて国から支給されているというのだから。
「ま、私の家の小さな庭の家庭菜園なら自分の魔法でサクッと水やりもお世話も出来ちゃうけれど」
そんな私は言葉にしつつ、魔法で我が子用の家具を作りながら庭の水まきをするという魔法の多重使用をしている。
こんな魔法を使えば嫌というくらいレイストン王国で目立ってしまうので、あちらに居たころに使ったことは無い。
聖魔法だけでも注目されている状態で、四大元素魔法も駆使していたらね。
そもそも、二属性持ちでもすごいと言われるのに。
聖魔法と四大元素魔法すべて使えるのは初代の聖魔法の使い手にして大聖女という称号をもらったマルガレーテ・ロッシ様くらいなんだもの。
私も師団長と副師団長の前では水と風しか使わなかった。
魔法薬や調薬にはこの二つがあれば、乾燥も薬草を煎じるのも出来るからね。
土と火も使えるとここみたいな生活だと便利なんだけれど、レイストンでは一応令嬢だったから人前では使わないようにしていた。
実家で虐げられている間はこっそりうちの中でだけ使っていたわよ。
やっぱり便利だしね、魔法。
そんな私の様子を、パライズはうちの御主人は魔法は全部規格外だからなぁと遠い目をしていたんだとか。
のどかな中では、それも小さなことである。




