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仮面舞踏会での過ち~なかったことにはならなかったのでしっかり遁走致します~  作者: 織原深雪


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閑話 その頃の王都では3

 公文書偽造の証拠書類を提出後、王宮魔術師団では次の聖魔法の使い手であるシャルロッテの行方を追うことが急務となっていた。

 聖魔法の使い手に万が一があってはならないと、陰ながら国王陛下より護衛がつけられていたり、エイネイによる追跡魔術が掛けられていたりするのだが。

 今回の聖魔法の使い手であるシャルロッテは近代で稀に見るほどの魔力量と属性が聖魔法だけにあらず、四大元素魔法まで使える、魔術師としても一流の腕を持ち、魔法薬作りも出来る薬師としての腕まで一流というとんでもない規格外の人物だった。

 それゆえに王国としても国から出すのは大損失のため、歳の頃合いからも第三王子の妃にと婚約者候補に挙げようとすれば本人はとても慎ましく、貴族社会を理解しつくしている人物故に子爵令嬢ごときではと辞退されてしまった。

 強制すれば出奔されることもあり得ると、慎重にしていた矢先に公爵令嬢が暴走して事件を起こした。

 その媚薬事件により、シャルロッテは第三王子のお手付きの令嬢となったゆえにこのまま婚約、最短で婚姻の運びをと王宮魔術師団の師団長、副師団長、国王で相談していた。

 そんなところにナローズ夫人の公文書偽造の知らせ、それと同時にもたらされたのは希代の聖魔法の使い手の出奔であった。

 付けていた護衛も、魔法で眠らされて役に立たず、従兄弟にあたるレイゼル・ヴィンスレット辺境伯令息によればタウンハウスの令嬢の部屋はまさしく空っぽであり、ここに戻る気はさらさらないことを表していたと報告された。

 そしてその日の午後早い時間にエイネイが泡吹いて倒れたと知らせが入る。

 繋がっていた追跡魔法も、魔力量の多いシャルロッテ嬢には難なく振り払えるもので断ち切られたとのこと。

 ラクレット領付近で切れたとのことで、そのあたりの捜索に人を向かわせるも追いつけていない。

 魔法だけでなく乗馬の腕も一流であることに、王宮の面々は徐々にその相貌を蒼白にしていく。

「もし、他国に出られてはその後追跡も容易ではなくなります。騎士を動かすことすら困難になります。辺境伯である父を頼って国内に居てくれればいいのですが」

 という言葉を乾いた笑いと共に言ったのは、王宮内では一番シャルロッテを知っている辺境伯令息であった。

 そして大ダメージを受けた第三王子はどうにかきちんと話をしたいと思い、引き続きシャルロッテの捜索は継続されることとなり、王宮騎士団から一小隊が辺境に向けて出発する。

 しかし、三日で辺境伯領に辿り着きその日のうちに皇国へ出奔しているシャルロッテには到底追いつけないのだった。

 そして、国境からシャルロッテと思われる女性が皇国へ向かったという絶望的な知らせが出奔から六日後に届くと、とうとう国王陛下も事態の大きさに倒れることになるのだった。

 レイストン王国の聖魔法の使い手が他国に行くのは初めてのことだった。

 しかし、行先が皇国だったことが幸いし第三王子のトーラスは皇国の皇太子が魔法学園への短期留学時に仲良くなっていた。

 文化交流という名の外交をいち早く日程を組み立てて、シャルロッテの捜索に自ら乗り出すことにした。

 それは、なによりもシャルロッテを想うがゆえであった。

 トーラス殿下の片想いが実るのだろうか?

 とにかくすべてが通常以上のとんでもないスピードで進められて周囲は疲弊していたが、それでも止まるわけにはいかなかった。

 聖魔法の使い手は、レイストン王国に居てくれるだけで魔獣の脅威から守る国主守の担い手なのだから。

 それを知るのは皇王陛下の歴代の聖魔法の使い手のみ。

 もちろんシャルロッテも知ってはいるが、彼女は学びつくしている才媛である故に縛られることに疑問を呈した初めての聖魔法の使い手だった。

 愛国心や家族愛が薄かったことも、これに拍車をかけたがそれはまだ皆が知らないことである。

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