第7話「玲奈の帰国と“守る覚悟”」
離れていても、信じている。
だけど、強さにも限界がある――
「壊れちゃうかも」その一言に、愛が試される夜。
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■Scene:フランス・リヨンの映画祭会場
玲奈は、主演作『彼方からの手紙』のプロモーションでフランス・リヨンを訪れていた。
ヨーロッパ系のメディアや映画ファンに囲まれながら、英語混じりの会見で、はっきりと語る。
玲奈:「This story is not just a fiction. It’s also a piece of my life.(この物語はただのフィクションではありません。私の人生の一部でもあります)」
現地メディアは“ミステリアスで芯のあるアジア人女優”として玲奈を絶賛。
映画祭でも大きな反響を呼び、主演賞候補に名が挙がるほどだった。
だが、ホテルの部屋に戻ると、玲奈は静かに長いため息を吐く。
「悠人くんに、会いたいな……」
それでも、スマホを手に取ってはLINEを打ちかけて、何も送れず閉じる日々が続いていた。
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■Scene:羽田空港の到着ロビー
1週間後の夜、玲奈はようやく帰国した。
黒いキャップとロングコートで人目を避け、無言で空港を後にする。
待っていたのは迎えの車ではなく、悠人の小さなメモ。
《玄関、開いてるよ。夕飯、温め直すだけにしてある》
玲奈はその手書きの一文を見て、くすっと微笑んだ。
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■Scene:ふたりだけの夕食、静かな沈黙の中で
帰宅後、玲奈は玄関で靴を脱ぎながら、そっと呟いた。
玲奈:「……ただいま」
ダイニングでは、悠人がエプロン姿でカレーを温めていた。
玲奈:「カレー、いい香り……」
悠人:「玲奈さんが一番好きな具、ちゃんと入ってる。茄子とパプリカ」
玲奈は黙って座り、スプーンを口に運ぶ。
そして、ふと呟くように言った。
「ねぇ、悠人くん……
このままじゃ、私たち――壊れちゃうかも」
悠人は、スプーンをゆっくりと皿に置いた。
玲奈:「誰かと居る時間が多いほど、
あなたのことを考える時間が減ってく。怖いの。私が“玲奈”に戻れなくなりそうで」
その言葉を遮るように、悠人が椅子を立った。
玲奈:「え……」
次の瞬間――
悠人は玲奈の手を引き、そっと唇を重ねた。
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■Scene:寝室での誓いとキス
ふたりはそのまま寝室へ。
灯りを落とした静かな部屋の中、ベッドの上で、玲奈は優しく抱きしめられる。
悠人:「壊れたって、俺が守るから。
玲奈さんが“玲奈”でなくなっても、俺は“悠人”として、隣にいるから」
玲奈はその言葉に、ようやく張り詰めていた心がほぐれたようだった。
玲奈:「ありがとう……ねぇ、悠人くん……キス、して?」
深く、ゆっくりと、愛を確かめるようなキス。
唇が離れても、何度もそっと触れ合った。
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■Scene:湯けむりの中、癒しと素直な愛
そのあと、ふたりは湯船に肩を並べて浸かる。
玲奈:「こうしてると、全部忘れられるね」
悠人:「俺は、玲奈さんといると、忘れるより“思い出す”。
最初のファンレターのときも、今も、全部つながってる感じがする」
玲奈:「……じゃあ、これからも“いちばんのファン”でいてくれる?」
悠人:「もちろん。ずっと、いちばんの夫で、ファンで、恋人で」
玲奈は照れたように微笑みながら、そっと頭をもたれかけて言った。
玲奈:「……じゃあ、その証拠。キスして」
湯気に包まれながら、
ふたりの唇が重なり、心までほどけるような、長い夜が静かに更けていった。
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