第10話「秘密のまま、永遠に」
■Scene 1:舞台挨拶、幕が上がる
玲奈主演の映画――愛と喪失を描いたヒューマンドラマ『暁の記憶』が、ついに公開初日を迎えた。
都内某映画館には数百人の観客、取材陣、照明、フラッシュ――そして、
客席の最後列に、帽子とマスクを被った悠人の姿があった。
千田マネージャーの配慮により、悠人は“誰でもない一人の観客”としてその場にいた。
映画が終わり、場内が拍手に包まれる。
舞台挨拶へとキャストが登壇し、玲奈がマイクを手に取る。
玲奈:「本日は、ご来場ありがとうございます」
声が震えている――
だが、それは女優としてではなく、一人の女性としての想いがにじんでいたからだった。
玲奈:「この作品は、私にとって……人生で、いちばん素直になれた時間でした。
愛すること、支えること、そして――許し合うこと。
それら全部を、カメラの前でじゃなく、“誰か”と生きてきたからこそ、演じることができました」
ふと、玲奈の目が、会場最後列にいる悠人の方へ向く。
誰にも気づかれないように、その視線が言葉を繋いだ。
玲奈:「この映画は、“誰にも言えない気持ち”を抱えた全ての人に、捧げます。
どうか、その気持ちを恥じないでください。
それは、きっと――“愛”ですから」
場内に、静かな拍手が広がる。
その言葉に、悠人はゆっくりと帽子を取った。
玲奈は、一瞬だけ微笑み、すぐに女優の顔へと戻った。
⸻
■Scene 2:ふたりだけの帰り道
舞台挨拶のあと、スタッフ用の裏口から出てきた玲奈は、すぐに待っていた車に乗り込んだ。
運転席には――悠人。
玲奈:「……来てくれたんだ」
悠人:「あたりまえだよ。玲奈の“告白”、ちゃんと聞いた」
玲奈:「バレなかった?」
悠人:「全然。ただ、俺の心臓の音はバレてたかもしれないけどね」
ふたりは車内で顔を見合わせ、ふっと笑い合う。
玲奈:「ありがとう。あなたがいたから、私はあのセリフが言えたの」
悠人:「こっちこそ……ありがとう。
玲奈の生き方を、尊敬してる。俺の人生で、いちばん誇りだよ」
玲奈は手を伸ばし、悠人の手を握った。
そして――
唇と唇が、静かに、深く、重なる。
玲奈:「この秘密、永遠に守ってくれる?」
悠人:「俺が死んでも、絶対に」
⸻
■Scene 3:未来へ
その夜。
ふたりは、いつものように家に帰り、何気ない会話をしながら夕食を囲んだ。
玲奈:「ねえ、これからどうなるんだろうね、私たち」
悠人:「たぶん、また色々ある。でもさ……」
玲奈:「でも?」
悠人:「全部ふたりで乗り越えよう。
この秘密のまま、堂々と、幸せに生きようよ」
玲奈はゆっくり頷いた。
玲奈:「私、“秘密”って言葉、少しだけ好きになれたかも」
その夜、ふたりはゆっくりと、長く、愛を確かめ合った。
言葉ではない“永遠”を、唇で交わしながら――
『ふたりの未来編 ― 推しと僕の、新しい一歩 ―』
に関してはまた何処かで話します。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——
ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!
その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。
読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。
「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!
皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。




