第8話「バレたら終わる」
■Scene 1:黒い影とファンの囁き
ある日、玲奈のマネージャー・千田のもとに1通の封筒が届く。
中には、写真。
玲奈と見知らぬ青年――悠人が、スーパーの袋を持って並んで歩く姿。
千田:「……撮られたわね」
玲奈にそのことを報告すると、彼女の表情は一瞬で凍りついた。
玲奈:「……どこで?」
千田:「スーパーの帰り。帽子もマスクもしてたけど、レンズはごまかせない」
その夜、玲奈と悠人は食卓で向かい合って座っていた。
照明がやけに暗く感じる。
悠人:「……俺のせいだ。もっと気をつけてれば……」
玲奈:「違う。悠人のせいじゃない。私たちは“普通”の夫婦なんだから」
けれど――芸能界では、“普通”が許されないこともある。
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■Scene 2:事務所との対話
翌日。玲奈は事務所で社長と再び顔を合わせた。
社長:「玲奈。……結婚したこと自体は、否定しない。だが、もしこれ以上写真が出回れば、契約解除の可能性もある」
玲奈:「……覚悟してます。だけど、私にとって“夫”は、芸能より大切な存在です」
千田:「写真はまだどこにも出ていない。週刊誌の“お伺い”の段階。
それに……相手が学生だから、出版社も慎重になってる」
玲奈:「……じゃあ、まだ間に合うんですね?」
社長はため息をつきながら、手を組んだ。
社長:「……おまえの演技に嘘がない限りは、私は守る」
玲奈は深く頭を下げた。
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■Scene 3:真実を知る、味方の存在
夜。悠人の自宅にて。
来客がひとり――それは、玲奈のマネージャー・千田だった。
千田:「……初めまして。と言っても、何度も写真では見てるけどね」
悠人:「……すみません。玲奈さんに迷惑かけて」
千田は微笑んで首を振る。
千田:「彼女にとって、あなたは“守るべき人”。それだけは、ちゃんと受け止めて。
それと……写真、私が処理します。出版社との関係もあるから、表に出ることはない」
悠人:「ありがとうございます……」
千田はふっと笑う。
千田:「それと、玲奈から聞いてるわよ。あなたが、ファンレターを送ってきた子だったってこと」
悠人:「……え?」
千田:「あのとき、“本物の言葉”だって、彼女は泣きながら読んでたの。
だからこそ、あんたを選んだ。……この縁、簡単に壊すもんじゃないわよ」
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■Scene 4:手を重ねて、ただ生きる
その夜、ふたりはベッドで並んで横になる。
玲奈は、そっと悠人の指を握った。
玲奈:「私たち、きっとこれからも“バレたら終わる”の連続だよ」
悠人:「……でも、その度に隣に玲奈がいてくれたら、俺は怖くない」
玲奈:「じゃあ……キスして」
悠人はゆっくり顔を近づけ、玲奈の唇に深く、長く、優しくキスをした。
玲奈:「んっ……ありがとう」
照明が落ちた暗い部屋。
ただ、心音だけが重なるように、ふたりの息が、静かに重なり合っていた。
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