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第6話「交際3年目、そしてプロポーズ」


■Scene 1:小さな記念日


春の終わり。

ふたりが出会って、そして付き合い始めて――ちょうど3年目を迎えた日。


玲奈からのメッセージは、シンプルだった。


今日、少しだけ時間作れた。会える?


いつものカフェ。

店の奥の席に座る玲奈は、前より少しだけやつれて見えた。


けれど、その瞳は力強かった。


玲奈:「3年目……だね」


悠人:「うん。あっという間だった気がするけど……中身は濃かった」


玲奈:「ほんとに。あの時、ファンレター読んで良かったって、今でも思ってる」


悠人:「玲奈に出会えたことが、俺の人生を変えたから」


ふたりは笑い合い、カップを合わせる。


そして――


悠人:「玲奈。今日、ちゃんと伝えたいことがあって」


玲奈:「……なに?」


悠人はカバンから、小さなケースを取り出した。

中には、細くて控えめな、でも確かな輝きを放つ指輪。


玲奈の目が、見開かれた。


悠人:「結婚しよう」


玲奈:「……え?」


悠人:「まだ学生だし、玲奈は大女優だし、俺は正直まだ何も持ってない。

でも……それでも、“玲奈の隣にいる覚悟”はある。だから――結婚してほしい」


玲奈は、しばらく無言だった。


でも、次の瞬間には――そっと手を伸ばし、指輪を自分の左手薬指にはめた。


玲奈:「……覚悟なら、私もあるよ。

誰にも言えなくても、誰にも見せられなくても、私は――悠人と夫婦でいたい」


そして、ふたりは誰にも気づかれないように、深く静かなキスを交わした。



■Scene 2:極秘婚、始動


数日後、玲奈の所属事務所の個室会議室。

彼女はマネージャー・千田と社長に向かって言った。


玲奈:「私……結婚します」


社長:「……相手は?」


玲奈:「一般の大学生です。名前は……神谷悠人」


千田:「あの時のファンレターの子、ね」


玲奈:「はい。……交際期間は、3年になります」


社長と千田は驚きながらも、しばらく無言で頷いた。


社長:「……玲奈。君が真剣だというのはわかった。だが――」


玲奈:「世間には絶対に公表しません。今まで通り、女優として活動します。

ただ……どうしても、彼とは、夫婦でいたいんです」


千田:「分かった。なら、私たちも全力で守るわ。玲奈の覚悟、信じる」


玲奈は涙をこらえて、深く頭を下げた。



■Scene 3:秘密の入籍、ふたりきりの夜


役所の届け出は、玲奈の信頼する弁護士が極秘で提出した。

日付は、出会ってちょうど3年目の記念日。


その夜、ふたりは初めて“夫婦”として、同じ家で過ごした。


玲奈:「……これから、あなたの“奥さん”ってことになるのね」


悠人:「うん。でも、俺の中ではずっと前からそうだった」


玲奈:「バレたら、全部終わる。女優としても、あなたの将来も」


悠人:「それでも、玲奈を選んだんだよ。……だから、後悔なんて、するわけない」


ふたりは、何も言わず、ただ静かに唇を重ねた。

誓いの代わりに、何度も、何度も。


玲奈:「……私の人生、一緒にいてくれてありがとう」


悠人:「俺のほうこそ。玲奈と生きられる人生、これ以上の幸せなんてない」


その夜、ふたりは初めて夫婦として過ごす夜を、静かに迎えた。



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