第4話「高校卒業、そしてふたりの未来へ」
■Scene 1:卒業式のあとで
3月。
肌寒い風が制服の胸元をすり抜ける中、神谷悠人は卒業式を迎えていた。
教室で担任が名前を呼び、生徒ひとりひとりが卒業証書を受け取る。
「神谷悠人!」
声が響いた瞬間、悠人はまっすぐ立ち上がり、前を見据えた。
(この3年間で、僕は――ただの“ファン”から、“彼女の恋人”になった)
そして、卒業式後の校門。
両親に写真を撮ってもらい、友人たちと別れを惜しんだあと、
悠人は駅前のカフェで“ある人”と合流した。
玲奈:「……卒業、おめでとう」
悠人:「ありがとう。……玲奈のおかげで、ここまで来られた」
玲奈は小さなブーケを渡しながら、微笑んだ。
玲奈:「これから、ほんとの“人生の本番”ね」
⸻
■Scene 2:ふたりの秘密の誓い
カフェの窓際、誰にも気づかれないよう席を選んだふたり。
制服姿の悠人と、シンプルなコートを羽織った玲奈――年齢差を隠しきれないカップル。
けれどその距離には、どんな恋人よりも深い信頼があった。
玲奈:「ねえ、大学はどうするの?」
悠人:「映像系の学部に進む。……将来、監督になるために」
玲奈:「本気なのね」
悠人:「うん。玲奈を撮りたいから」
玲奈:「……ふふ。そう言われると照れる」
そして、玲奈は真剣な顔でこう言った。
玲奈:「私、あと1年くらいしたら――誰にも言えないまま、“あなたと結婚”する覚悟はある」
悠人:「……俺も同じ気持ち。芸能界とか年齢差とか……全部関係ない」
玲奈:「じゃあ――約束ね」
ふたりは、店内でこっそりと、小指を絡めた。
その手には、誰にも見せられない“婚約”のような意味が宿っていた。
⸻
■Scene 3:ひとりの部屋で、将来を描く
その夜。
卒業証書を机の上に置き、悠人はノートパソコンを開いた。
中には、玲奈の出演映画の映像。
そして、未完成の脚本ファイル。
タイトルは――『春を、きみに。』
悠人:(いつかこの脚本を、玲奈に渡すんだ。主演は玲奈。監督は俺)
その未来を思うと、胸が熱くなる。
玲奈の存在は、夢じゃない。
彼女は、すぐそばにいる――そして、未来の妻になる人だ。
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