第2話「ふたりで歩いた日々 ― 遊園地デート編」
■Scene 1:変装と約束
付き合って2年目の夏。
悠人は高校3年生、玲奈は芸能活動の合間を縫って――
玲奈:「行こうか、遊園地。今度の月曜日、久しぶりにオフなの」
悠人:「ほんとに? 行きたいけど……バレたりしないかな」
玲奈:「変装は慣れてる。帽子とサングラスと、あとマスクと……あなた、いつも通りの“地味な男子高校生”でいて」
悠人:「それ、褒めてるの?」
玲奈:「もちろん。私にとっては、それがいちばん安心するの」
――そして当日。
人混みにまぎれるように、ふたりは某有名テーマパークに入園した。
悠人:「やば……人多いな」
玲奈:「だからいいのよ。人が多いと、それだけ見つかりにくい」
悠人は思う――
この人は、いつも“誰かの目”を気にしながら生きてるんだ。
だからこそ今日くらい、
ただの恋人として、自由でいさせたい――そう思った。
⸻
■Scene 2:観覧車の中で
昼過ぎ。
軽く昼食をとってから、ふたりは観覧車に並んだ。
玲奈:「高所、平気?」
悠人:「うん。むしろ、高いところにいると……世界が全部ちっちゃく見えるって思えるから、好き」
玲奈:「いい感性してる。監督向きかもね」
悠人:「玲奈が主演なら、いつか撮ってみたい」
玲奈:「……その夢、応援する」
カラカラと音を立てて観覧車が動き出す。
頂上近く。ふたりは誰にも見られない空間のなかで、
玲奈がそっと手を伸ばし、悠人の指を握った。
玲奈:「こうしてるとね……私、普通の女の子みたいで、すごく安心する」
悠人:「……俺、玲奈のそういう言葉、もっと聞きたい」
玲奈:「じゃあ、もっと聞かせてあげる。……でも、その代わり」
悠人:「代わり?」
玲奈は観覧車のガラス窓越しに東京の街を見下ろしながら、囁くように言った。
玲奈:「……キスして」
悠人は驚いた表情のまま、それでもすぐに彼女の言葉に応える。
「ん……」
深く、静かに――それでも強く、ふたりの唇は重なった。
観覧車のなか。
たった数分の密室で、ふたりは“恋人”であることを、
何よりも実感していた。
⸻
■Scene 3:夕暮れ、そして未来
夜。観覧車から降りたあと、ふたりは少し人の少ないベンチに腰掛けた。
空はオレンジに染まり、玲奈の輪郭を優しく照らしている。
玲奈:「悠人。あなた、来年大学生よね?」
悠人:「うん、進学するつもり。映像系の学部」
玲奈:「……ねえ。3年、付き合ったら。
もしそのとき、私がまだあなたの隣にいたら――」
悠人:「――結婚、してほしい?」
玲奈:「……うん」
悠人はゆっくりと頷く。
悠人:「わかった。じゃあ俺、来年も、再来年も。ちゃんと“玲奈の隣”にいられるように頑張る」
玲奈:「じゃあ、その時にもう一度、今日みたいなデートしよう。
今度は、堂々と“夫婦”として、ね」
ふたりは顔を見合わせ、笑った。
その夜。
玲奈が送ってくれたLINEには、こう書かれていた。
“今日の思い出、ずっと消えないように。
私の中で、あなたとの恋が静かに育ってるの”
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