特別編IF「ファンレターから始まった、もうひとつの“交際0日婚”」
「もし悠人が俳優だったら」
完全パラレル特別編として描写いたします。
(本編とは別軸の世界線、「綾川玲奈 × 俳優・悠人」編)
君の名前を、私はずっと前から知っていた。
――ファンレターの差出人、“神谷悠人”として。
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■Scene 1:ドラマ共演という偶然
国民的女優・綾川玲奈、35歳。
次期連ドラのヒロイン役として発表されたその相手役――
「新人俳優・神谷悠人(21)」
劇団出身。今回が民放初主演で、急成長中の若手実力派。
玲奈:(神谷悠人……どこかで聞いたことがあるような……)
台本読み合わせの日、楽屋の机に置かれていたファンレターの束。
玲奈はその中に見覚えのある名前を見つける。
玲奈:(……“神谷悠人”――あの、数年前に送ってくれていた子?)
字も文体も、あのときのまま。
玲奈はその瞬間、静かに確信する。
玲奈:(……まさか。あの子が、俳優になったの?)
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■Scene 2:キスシーン、テストリハーサル
撮影3日目。
台本には、ふたりの「感情が交錯するキスシーン」が予定されていた。
リハーサル中、ふたりの距離が数十センチに近づいた瞬間――
悠人:「……“演技”じゃ、だめですか?」
玲奈:「……どういう意味?」
悠人:「……俺、昔から玲奈さんが好きで。
名前も知らない俺が送ったファンレターを、覚えていてくれたら――って、ずっと思ってたんです」
玲奈は言葉を失う。
玲奈:「……“神谷悠人”って、あのときの……あなた?」
悠人はゆっくりと頷く。
そして、演出家の合図で――
「本番!」
ふたりは、ゆっくりと近づき――
「んっ……はぁ……悠人……」
まるで台本以上にリアルな、
甘く、深く、そして熱のこもったキスを交わした。
スタッフ一同、息を呑む。
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■Scene 3:収録後の“もしも”の夜
その日の夜、玲奈のマンション。
悠人はキスの余韻がどうしても忘れられず、玲奈の家を訪れた。
悠人:「玲奈さん……僕、演技じゃなくて、本当に好きなんです」
玲奈:「……本気の目ね。でも……」
悠人:「……俺がもし、結婚していなくて、
ちゃんとあなたと“これから”を築きたいって言ったら――」
玲奈は少し黙ったあと、ゆっくりとタオルを取る。
玲奈:「……好きな人にだけは、ちゃんと“今の私”を見せたい。
入ってく? ……お風呂」
その後――
ふたりは湯船のなかで互いの身体を見つめながら、もう一度深くキスを交わした。
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■Scene 4:交際1年後のデート、そしてプロポーズ
1年後――
ふたりは“世間には秘密”のまま、慎重に交際を続けていた。
都内の夜景スポットで手を繋ぎ、静かに話す。
玲奈:「……最初、あなたが“あの神谷悠人”だって知ったとき、本当に驚いたの」
悠人:「俺の方こそ。まさか、好きな人と一緒にお風呂入る日が来るなんて、思ってなかった」
玲奈:「ふふ、言い方……」
そして、悠人が小さなケースを取り出す。
悠人:「玲奈さん――結婚してください」
玲奈:「……はい。ずっと、私の“ファン”でいてくれてありがとう」
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■Scene 5:結婚会見での告白
翌年。
ふたりはついに、交際と結婚を公に発表した。
司会:「本日、おふたりは正式にご結婚とのことで……おめでとうございます!」
玲奈:「ありがとうございます。
彼は……私に“ただのファン”として手紙をくれた人でした。
でも、その想いが何年経っても、私の心に残っていたんです」
悠人:「夢が叶っただけじゃなくて――
今は、その夢と一緒に生きています」
記者:「おふたりの初めてのキスは、やっぱり演技の時ですか?」
玲奈:「……はい。でも“演技”じゃありませんでした。
あのときからもう、私たちの物語は始まっていたんです」
【特別編IF 完】
俳優として出会っていたら――
それでも、私たちは恋に落ちていた。
そして、いつか“交際0日婚”になる運命だったのかもしれない。
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