表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

71/107

第8話「玲奈と娘の、初めての舞台」




誰にも気づかれないように。

でも――娘にはちゃんと見える場所で、私はずっと見守っていた。



■Scene 1:発表会の日


秋晴れの朝。

玲奈は帽子を深く被り、マスクをしてスカーフを巻いていた。


玲奈:「目立ちすぎないように……これで大丈夫かな?」


悠人:「完璧。でも、もし園の誰かにバレたら……」


玲奈:「……“心ちゃんのお母さん”で通す」


ふたりは、心の通う保育園のホールへと足を運んだ。

観客席には他の保護者が集まり、賑やかな雰囲気。


玲奈は静かに最後列の端に座った。

娘・心が、小さな主役として立つ発表会が、まもなく始まろうとしていた。



■Scene 2:バレそうになった“あの顔”


園内スタッフの中で、ひとり――その存在に気づいた者がいた。


保育園の園長・高橋は舞台裏から玲奈の顔を確認し、目を丸くした。


園長:「……あの方、まさか……」


幕間に、玲奈のもとへそっと近づいてくる園長。


園長:「あの……神谷玲奈さん、ですよね?」


玲奈:「……すみません……園の方には、どうか内密に」


園長:「もちろんです。お子さんに影響が出るようなことは避けたい。

ただ……今日の心ちゃんの頑張り、ぜひしっかり見てあげてください。

お母さんがいることで、きっと勇気になると思います」


玲奈:「……ありがとうございます。

あの子がどんな役でも、一生懸命やっているのを見られたら、それだけで十分です」


園長:「あ、それと……結婚してらっしゃることも、私からは一切口外しません。

娘さん、素直で元気な子に育っています。ご家庭での愛情、ちゃんと伝わってますよ」


玲奈はその言葉に、思わず涙がにじんだ。


玲奈:「……うれしいです。本当に、ありがとうございます」



■Scene 3:小さな舞台の大きな一歩


発表会が始まった。


心の役は――「ちいさな光の精」

セリフは短いが、舞台の真ん中で笑顔を見せる姿に、玲奈は胸を震わせた。


玲奈:(……私も、こんなふうにステージに立ったことがあった。

心が、今ここに立っているのが不思議)


演技の途中、心は観客席を見回し、ふと――最後列の玲奈を見つけた。


その瞬間、小さな笑顔がふわっと咲いた。


玲奈:(……あ。気づいたのね)


そしてその後のセリフ――

「わたし、ひとりじゃない。いつも、見ててくれるから!」


玲奈は、涙をこらえるので精一杯だった。



■Scene 4:舞台が終わって


発表会終了後、保護者との混雑を避けて帰ろうとした玲奈に、また園長がそっと近づく。


園長:「……素晴らしかったですね。

娘さんがあんなふうに、感情を乗せてセリフを言えたのは――きっと、お母さんの姿が見えたからだと思います」


玲奈:「……“見守る”って、難しいですね。

何もしていないようで、実はちゃんと伝わってる。今日は、心に教えられました」


園長:「ご両親の存在は、子どもにとって、いちばんの“舞台照明”ですから」


玲奈:「……綺麗な言葉。ありがとうございます」



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ