第6話「キスはこうやるんだよ」
感情を伝える手段のひとつが「キス」なら、
それは――嘘じゃできない、芝居の中の“真実”。
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■Scene 1:現場に走る緊張
都内の撮影スタジオ。
玲奈の復帰作第2弾の現場では、いままさにクライマックスシーンの準備が進められていた。
その場にいたのは、注目の新人・若手俳優、小瀬 創真。
18歳、まだ現場経験も少なく、玲奈とのキスシーンを前に額にはうっすら汗。
創真:「……すみません……やっぱ緊張して……どうすれば……」
悠人は、モニター越しにその姿を見つめながら、カットをかけた。
悠人:「創真くん、ちょっと。……玲奈さんも少し」
スタジオの片隅――
ふたりを呼び寄せると、悠人は玲奈の耳元にそっと口を寄せた。
悠人(小声):「……濃厚で、かつ長めのキスするから。気持ち、動かしてやる」
玲奈はわずかに目を見開く。
そしてさらにもう一言。
悠人(さらに小声で):「……今日は帰ったら、俳優のキスなんか忘れさせるぐらいのキス、するから。待ってて」
玲奈の目が潤み、かすかに震える。
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■Scene 2:見本のキス
悠人:「キスってのは、演技じゃない。“感情”だよ」
その瞬間――
悠人は玲奈の顔を包むように手を添え、
深く、長く、そして濃厚なキスをした。
口元が離れるとき、玲奈の唇からかすかに「んっ……」という声が漏れた。
スタッフ全員が凍りついた。
しん……とした空気の中――
1人の若い女性スタッフがぽつりと。
スタッフA:「……え、なにあれ……リアルすぎ……」
スタッフB:「……あれ、絶対付き合ってるよね……?」
スタッフC:「……ていうか、やば……名シーンすぎる……!」
数秒後、湧き上がるような拍手が現場に広がる。
千田マネージャー(小声):「……あらら、これで完全に“広まった”わね」
玲奈は口元を押さえ、少し頬を染めながら悠人を見た。
悠人:「……創真くん。こういうキスが、“ちゃんと相手の心を動かすキス”だ。
……できそう?」
創真:「……やってみます」
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■Scene 3:テイク本番、そしてその夜
照明が落ち、カチンコが鳴る。
カメラの前で、玲奈と創真のキスシーン。
その瞬間――
「んっ……」
玲奈の口から、わずかながら声が漏れる。
創真の手が震え、でも必死に“演技”で応える。
カットがかかると、現場には再び静寂と拍手。
悠人は黙ってモニターを見つめたまま、ひとこと。
悠人:「……いい芝居だった」
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■Scene 4:忘れさせる、夜のキス
夜。
子どもたちが眠ったあと、玲奈がシャワーから上がってくると――
ソファに座っていた悠人が立ち上がり、何も言わずに彼女を抱き寄せた。
悠人:「……言ったよね。忘れさせてやるって」
玲奈:「……うん……忘れたい。創真くんのことも、現場のことも、ぜんぶ……」
悠人:「ん……玲奈」
その言葉の直後、
ふたりの唇が重なる。
玲奈の背中を支える手が力を込め、
悠人のキスは、深く、甘く、時に激しく――
玲奈の身体がわずかに震える。
玲奈:「んっ……んんっ……♡」
玲奈の口から、無意識に甘く高い声が漏れる。
頬は熱く、唇は熱を帯び、
悠人はそっと彼女の髪を撫でながら、まだ口づけを続けていた。
玲奈:「……私、このキスがいちばん好き」
悠人:「俺も。君じゃなきゃ、ダメなんだ」
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