第4話「パパ、初めてのカメラ越し」
俳優を目指していた青年が、いつしか“演出”を夢見るようになった。
それは、ふたりの人生が交差した場所でもう一度、“物語”を生むということ。
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■Scene 1:悠人、初の短編映画撮影
都内の小さなスタジオに、クランクインの掛け声が響く。
「本番!3、2、1――スタート!」
カメラの後ろでヘッドフォンを付けながら、悠人はディレクターとして真剣なまなざしを向けていた。
現場スタッフ:「神谷監督、次のカット確認お願いします」
悠人:「はい、モニター出してください」
演出、演技、照明、構図――
すべての細部にこだわりを持ち、悠人はひとつひとつ丁寧に積み上げていく。
スタッフの誰もが、彼を“新人監督”ではなく、
“本物の演出家”として受け入れ始めていた。
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■Scene 2:玲奈、こっそり現場へ
その日、玲奈は子どもたちを母親に預け、帽子とマスクで変装してスタジオ近くに現れた。
玲奈:(悠人、どんなふうに頑張ってるんだろう……)
千田マネージャーが手配した見学許可を得て、
玲奈はこっそりモニター裏に座る。
悠人が真剣に演出指示を出している姿――
カメラに映る世界に集中するその背中は、かつて玲奈が惹かれた“役者志望の高校生”ではなく、
いまや“映画監督”だった。
玲奈:(……かっこいい。ほんとに、かっこよすぎる……)
思わず涙ぐみそうになった玲奈を、千田がそっと肘でつついた。
千田:「惚れ直した?」
玲奈:「もう、100回くらい惚れ直してる……」
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■Scene 3:撮影後、ふたりきりの夜
その夜。
撮影が終わり帰宅した悠人は、玲奈がリビングで子どもたちを寝かしつけているのを見て、そっと背中から抱きついた。
悠人:「……今日、来てた?」
玲奈:「えっ、バレてた?」
悠人:「なんかね、背中がずっと温かくてさ。気づいたら、玲奈さんの気配がした」
玲奈:「……ほんとに素敵だったよ。プロの監督だった。私、あなたの作品に出たいって思った」
悠人:「じゃあ、次は……俺の初長編映画で、主演してくれる?」
玲奈:「もちろん。だって、私の“推し”だもん」
ふたりは静かにソファに座りながら、
お互いの頬をそっと寄せて、
唇に――ほんのひとときのキスを交わした。
玲奈:「……監督、キスの演出も上手いんだね?」
悠人:「主演女優が素敵だからだよ」
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