第9話「静かな病室と、ふたりの誕生」
痛みと不安の先にある奇跡。
あなたと私の間に生まれてきてくれた――
それが、世界でいちばんの“証”だった。
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■Scene 1:病院の一室、極秘の手配
玲奈の出産は、都内の有名な産婦人科病院。
だが今回は“国民的女優”であること、そして極秘婚であることから、病院側と徹底した話し合いのもと、通常の分娩室ではなく、特別個室と裏口の出入りが用意された。
悠人もマスク、帽子、眼鏡を着用し、名前すら出さないように配慮されていた。
看護師:「ご主人、奥さまが分娩室へ移動されます。ご一緒にどうぞ」
悠人:「……はい。よろしくお願いします」
心臓の音が、自分の声よりも大きく響いていた。
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■Scene 2:ふたりきりの分娩室
玲奈はすでに陣痛の真っ只中。
痛みに顔を歪めながらも、悠人の顔を見つけると、かすかに微笑んだ。
玲奈:「……来てくれたんだね……ありがとう……」
悠人:「当然だよ。……玲奈さん、頑張って。俺がずっと、ここにいるから」
玲奈:「うん……うん……!」
その言葉だけで、彼女の顔にもう一度、力が宿る。
医師:「順調です。さあ、もう少し……! ひとり目、出ますよ――」
玲奈:「あっ……あああっ!」
小さな産声――
第一子、男の子の誕生。
続いて数分後――
医師:「もうひとり来ます。はい、大きく息を――!」
玲奈:「はあっ、はあっ……んんっ……!」
第二子、女の子の産声。
悠人:「……っ!」
その瞬間、悠人の目から涙が溢れた。
玲奈も、ただ涙を流しながら、静かに言った。
玲奈:「……ふたりとも……ありがとう……生まれてきてくれて……」
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■Scene 3:小さな手と、はじめての抱擁
ふたりの赤ちゃんは、それぞれ別々の小さなタオルに包まれていた。
玲奈の腕に、まず男の子。
そして悠人が、女の子をそっと抱き上げる。
悠人:「……小さい……でも、ちゃんと生きてる。
玲奈さんと俺の命、ちゃんと繋がってる……」
玲奈:「名前……どうしようか……?」
悠人:「どっちも、素敵な名前を考えよう。君がくれた手紙みたいに、愛がこもった名前を」
玲奈:「ふふっ……“君がくれた手紙”って、あなたが最初にくれたのよ?」
悠人:「そうだった……あの一通のファンレターが、全部の始まりだったね」
ふたりは、赤ちゃんを見つめながら――
そっと額を寄せ、深く、優しくキスを交わした。
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