第7話「ふたりの休日、何もない日常にある愛」
何かを手に入れるために走ってきたふたりが、
何もしない一日を過ごす。
それは、“誰にも見せない関係”のなかで、
いちばん心が満たされた時間だった。
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■Scene 1:朝、目覚めとキス
朝7時。カーテンの隙間から、柔らかい日差しが寝室に差し込む。
玲奈が目を開けると、横にはまだ眠る悠人の顔。
少し寝癖のついた髪、穏やかな寝息――
いつもなら現場に出ているはずの時間に、ふたりは同じベッドのなか。
玲奈はそっと身体を起こし、
優しく、静かに彼の唇にキスを落とした。
「おはよう、悠人」
目を開けた悠人が、少し照れたように微笑む。
「……おはよう。
休みって、すごいね。
時間が……止まったみたい」
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■Scene 2:午前中のキッチン、後ろからの抱擁
朝食は玲奈が作ることになった。
キッチンに立ち、エプロン姿でフレンチトーストを焼く玲奈。
悠人はコーヒーを淹れていたが、ふと玲奈の後ろにまわって、
何かに突き動かされるように、彼女の背中にぴたりと抱きついた。
「……っ、悠人。ちょっと危ないって」
「……我慢できなかった」
彼は玲奈の首元に唇を寄せ、そっと囁いた。
「こうやって……何の役柄も背負ってない、玲奈さんが……一番好きだ」
玲奈は少し照れながらも、嬉しそうに笑った。
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■Scene 3:昼寝と静かな読書時間
食後、ふたりはリビングのソファで読書をしていた。
玲奈は昔から好きな詩集を、悠人は次回作の脚本草案。
しばらく無言の時間が流れ、玲奈がウトウトしはじめる。
悠人はそっと彼女の頭を自分の肩に預けた。
(こんな時間が……ずっと続けばいいのに)
玲奈の呼吸が寝息へと変わっていく。
その音だけが、静かな部屋に響いていた。
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■Scene 4:夜、風呂上がりの問いかけ
夜。
風呂上がり、玲奈はタオルを巻いたままリビングに戻り、ソファに腰を下ろした。
悠人も髪を拭きながら近づき、玲奈の隣に座る。
そのまま、タオル越しに玲奈の肩を抱きしめ、少し真面目な声で言った。
「玲奈さん……これから、どうしたい?」
玲奈は一瞬だけ目を伏せてから、顔を上げる。
「……まだ、わからない。
でもね……あなたの隣にいながら、ちゃんと“私”として笑っていられる方法を探したい」
悠人はそっと、玲奈の手を握った。
「じゃあ、一緒に探そう。
答えが見つかるまで、ずっと……そばにいるから」
玲奈はその言葉に、目を細めながら微笑む。
そして――その夜、ふたりはもう一度、静かに唇を重ねた。
それは、何もない日常がくれた、
いちばん確かな愛の形だった。
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