第4話「心音の選択と、玲奈への憧れ」
ずっと憧れてきた人と、ずっと見てきた背中。
自分はきっとそこに並べない。
でも――それでも、“あの人”を好きになってしまったんだ。
⸻
■Scene 1:取材現場、心音への質問
心音は、ドラマ主題歌のヒットで注目を集め、ファッション誌の単独インタビューを受けていた。
記者が和やかに質問を続けたあと、少しだけ空気が変わる。
「ちなみに……心音さんの“今気になる人”って、どんな人ですか?」
少し黙って、心音は笑って答えた。
「うーん……演出がうまくて、優しくて、
ちょっと不器用だけど、人の痛みをちゃんとわかってる人……ですかね」
記者がにっこりと反応する。
「なるほど……ドラマの現場にも、そんな方いらっしゃいました?」
「――いたかもしれません。でも、その人は……もう誰かのものだから」
カメラマンがその言葉に少し反応したように、静かにシャッターを切った。
⸻
■Scene 2:玲奈との再会
数日後、玲奈の主演する映画のイベントに、心音がゲストとして招かれた。
控室で再会した玲奈と心音は、自然と視線を合わせる。
「心音ちゃん、雑誌見たよ。素敵だった」
「ありがとう……玲奈さん」
少し沈黙が流れる。
玲奈が静かに尋ねる。
「誰か、好きな人……できた?」
心音は迷ったが、首を振った。
「……わかんない。
ただ、憧れてたはずなのに、
いつの間にか、“追いかける”気持ちじゃなくなってて――」
玲奈はそれ以上、何も聞かなかった。
ただ、そっと手を握ってあげた。
「ねえ、心音ちゃん。
その気持ち、大切にしてあげて。
忘れろなんて言わない。だけど、ちゃんと自分を守ってあげてね」
心音は、うなずいたあとで――
微笑みながら、泣いていた。
⸻
■Scene 3:帰り道、心音の独白
イベントのあと、帰宅する車の中。
助手席で窓の外を見つめながら、心音は心の中でつぶやいた。
(私は、玲奈さんみたいな人になりたいと思ってた。
でも、気づいたんだ。
私が“なりたかった”のは――
玲奈さんに愛されてる“あの人”のほうだったんだ)
(きっと、誰にも言わない。
この想いは、誰かに譲るようなものじゃないから。
私は、ただ“この気持ちを知った自分”を――大切にしたい)
その瞳に浮かんだ涙は、誰にも気づかれないまま、街の灯に溶けていった。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——
ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!
その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。
読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。
「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!
皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。




