第6話「心音の変化、玲奈の覚悟」
夢を追うことは、光を浴びることだけじゃない。
傷ついても、前を向く覚悟があるかどうか。
――それを教えてくれたのは、あの人の背中だった。
⸻
■Scene 1:心音、最初のCM撮影を終えて
数日後。
心音は地上波CMの現場で、初めての“主演”として撮影を終えた。
「お疲れさまでした!」と声が飛び交う中、
心音は控室で玲奈からのメッセージを開く。
【玲奈】
おつかれさま。今日の現場、どうだった?
緊張した? それとも……楽しかった?
【心音】
両方かな。でも……やっぱり難しいね。
演じるって、自分をどう見せるかの連続だって思った。
玲奈はその返事を見て、心音に電話をかける。
「ねぇ、心音ちゃん」
「玲奈さん……?」
「今度、少しだけ話そ? “女優”として。
人前に立つって、ただ目立つことじゃないって、きっともう分かってると思うから」
心音はその声に、ゆっくりと頷いた。
「うん。玲奈さんと、ちゃんと向き合いたい」
⸻
■Scene 2:悠人のスランプと、深夜の弱音
一方――悠人は映画撮影の中盤、演出プランの大幅修正に追われていた。
主演である玲奈のシーンをどう描くか。監督としての自信を問われている日々。
深夜2時。自宅の作業机に座る悠人の指先は止まっていた。
その背中に、ふわりとブランケットが掛けられる。
「……寝てなかったの?」
玲奈が静かに後ろから抱きしめた。
「……もうダメかも。俺、玲奈さんの良さを一番知ってるはずなのに、
どうやってこのシーン、撮ったらいいか分からない」
玲奈はその言葉に、そっと微笑む。
「じゃあ……“夫”に戻って甘えてもいいよ」
「……甘える」
ベッドに移動し、照明を落とすと、
悠人は玲奈の胸元に顔を埋めるようにして横になる。
「玲奈さん……ごめんね。こんな俺で」
「馬鹿だな……大丈夫。
あなたはね、まだ一人前になりきってないかもしれない。
でも、あたしにとってはとっくに、“大事な監督”なんだから。」
そのまま、玲奈はそっとキスを落とす。
甘く、深く、長く――
「ん……悠人……」
触れるたびに、心も身体も癒されていく。
「ありがとう、玲奈さん……俺、もう一度やってみるよ」
⸻
■Scene 3:覚悟を教えるレッスン
後日――
玲奈と心音はカフェで対面していた。
「どうして、玲奈さんはそんなに堂々としてるの?」
心音の質問に、玲奈はアイスコーヒーを一口飲みながら言う。
「堂々としてるフリを、覚えただけ。
でもね、本当に大事なのは――
“自分で決めること”なの。
誰かに言われた役じゃなくて、自分が“やりたい”って思えることを、選ぶこと」
「……わたし、迷ってばっかりかも」
玲奈は微笑む。
「いいの。まだ始まったばかりでしょ?
でも、選んだ道なら、逃げずに踏み出して」
その言葉に、心音はまっすぐ頷いた。
「……ありがとう、玲奈さん。やっぱり、あたしの憧れだよ」
玲奈はちょっと照れながら、
「言われ慣れてるけど……嬉しいな」と返した。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——
ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!
その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。
読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。
「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!
皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。




