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第3話「彼女の涙、カメラの奥で」



涙の理由を知っているからこそ、

“カット”の後、抱きしめたくなる。



■Scene 1:決別のシーン、本番一発撮り


撮影3日目、クライマックス手前の重いシーン。

玲奈が恋人役の俳優・水島と決別する、感情を爆発させる場面だった。


悠人は全スタッフに静かに告げた。


「一発で決めます。静音、照明、集中お願いします」


現場が凍るような緊張に包まれる中、玲奈はカメラの前へ。


テイクが始まった。


玲奈はセリフを吐き出すように叫び、

相手の肩を叩き、突き飛ばし、そして――泣いた。


「あたしが、どれだけあなたを信じたと思ってるの……っ!

愛してたのに、愛されなかったって……そう思わせないでよ……っ」


その嗚咽は、演技を超えた“魂の声”だった。


カットがかかった瞬間、スタジオは沈黙に包まれる。


悠人もまた、モニターの前で拳を握っていた。

(玲奈……あの涙、あれは……)



■Scene 2:メイク室、取り戻せない表情


シーン後、玲奈はメイク室で静かに座っていた。

タオルで涙を拭う手が、わずかに震えていた。


ドアの隙間からこっそり覗いた悠人は、スタッフの目を避けながらメモを渡す。


【メイク中でも返事はいりません】

今日の涙、演技だって分かってた。でも、胸が痛くなった。

夜になったら、“夫”としてぎゅっと抱きしめてもいいですか。


玲奈はその紙を読み、そっと胸元で握りしめた。

そしてメイクを終える頃には、何事もなかったように笑顔を取り戻していた。



■Scene 3:夜、夫婦に戻る時間


その夜。


自宅に戻ったふたりは、食卓の上の食事も手を付けず、

玄関先で、何も言わずにただ抱き合っていた。


「……今日のは、ちょっと引きずっちゃった」


玲奈がつぶやく。


「泣いてた玲奈さんも、美しかったけど。

僕は、笑ってる玲奈さんがやっぱり一番好きだ」


悠人はそう言いながら、玲奈の頭を撫で、額にキスを落とした。


「じゃあ……ぎゅってしてくれる? ずっと、今日一日、張り詰めてたから」


「もちろん」


ソファの上で、ふたりはただ抱き合ったまま。

セリフもカメラもいらない、**“ふたりだけの現実”**に包まれていた。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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