第10話「私たちは、世界に秘密を持ったまま」
全部を話す必要なんて、どこにもない。
私たちは、知ってるから――誰より、深く。
この愛が、本物だってことを。
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■Scene 1:映画最終舞台挨拶、“最後の言葉”
都内大劇場。
映画『ひかりの声』が大ヒットを記録し、最終舞台挨拶が満席で行われた。
玲奈は鮮やかなネイビードレスに身を包み、
客席からも、そして関係者席からも、拍手が絶えなかった。
司会者がマイクを差し出す。
「では最後に、主演として、玲奈さんから一言お願いします」
玲奈は一拍の沈黙の後、ゆっくりと語りはじめた。
「この作品は、“ひとりの女性”として生きる勇気をくれた作品でした。
それは、演技を超えて……私自身が変わった時間だったからです」
「世の中には、いろんな愛の形があります。
誰かの名前を公にしなくても、何も証明しなくても――
“あなた”だから、私は結婚した。
それだけで、私の人生は間違ってなかったと思えます」
一瞬、客席が静まり返る。
そのあと、万雷の拍手。
悠人はスタッフ席の最奥に静かに座りながら、
マスクの奥で微笑みを浮かべ、小さく呟いた。
「……僕も、間違ってなかったよ。玲奈さんを選んで」
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■Scene 2:帰宅、ただいまとおかえりの間に
夜、自宅。
表の顔を脱いだふたりは、普段通りの服でソファに並んでいた。
玲奈が先にぽつり。
「なんか……変な告白になっちゃったかな」
「玲奈さんらしくて、よかったよ。
“誰にもわからないけど、僕にはちゃんと届いた”って思った」
玲奈は彼の肩に頭を預け、
そっと唇を近づけて、小さく触れるだけのキス。
「……ねぇ。いつかバレる日が来るのかな」
「たぶん、来るよ。
でも、隠してたことを後悔するより、
“秘密だった時間”を愛せたって、言えるようになってたい」
玲奈は微笑み、頷いた。
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■Scene 3:未来の予感と、続く愛のかたち
その夜、ふたりはベッドに入り、手を繋いだまま静かに眠る。
何も変わらない日常のなかで、
それでも確かに――**世界でたった一つの“秘密の夫婦”**がここに存在していた。
そして、ふたりの心には同じ言葉が浮かんでいた。
「このまま、秘密のままで、
世界にただひとつの愛を守っていこう」
【Third Season 最終話・完】
“秘密”とは、時に強く結び合うための“絆”だった。
誰にも見せない、けれど確かにそこにある“ふたりの愛”。
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