第9話「スクープ、そして追われる影」
“バレたら終わる”と思っていた。
けれど本当に終わらせたくないからこそ、私は――踏み出した。
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■Scene 1:ネットに流れた“後ろ姿”
映画公開から2週目。
SNSに投稿された、とある写真が拡散された。
・夜のスーパーで買い物カゴを持つ女優風の女性と、
隣でスマホを見ながら立つ黒髪の若い男性。
・別の日、住宅街で似た柄のパジャマを着て、
ゴミ出しをしていた男女の“盗撮された後ろ姿”。
「これ、綾川玲奈さんと、“若手監督の神谷悠人”じゃない?」
「匂わせ?にしては、露骨すぎない?」
「事務所はノーコメントって……何かあるよね?」
ネットはざわつき、事務所にも問い合わせが殺到。
玲奈のマネージャー・千田が焦りながら電話をかける。
「玲奈さん、……これ、どうします? 無言で通す? それとも――」
玲奈は、静かに画面を見つめたまま答えた。
「私は……隠すことに、もう疲れたのかもしれない」
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■Scene 2:記者からの直撃、そして返答
ある日、都内で行われた別作品の記者イベント。
囲み取材で、ある記者が切り込んだ。
「玲奈さん、最近“若手監督”の方とプライベートでの目撃情報が複数あります。
ご本人に確認したいのですが――“恋人”関係にあるのでしょうか?」
空気がピリついた。
司会者が制止しようとしたが、玲奈はその手を軽く制し、マイクを持ち直す。
「……私は、演じる仕事をしています。
でも、演技じゃない気持ちで向き合ってきた人が、ひとりだけいます」
記者たちの手が動く。
「その人は、現場では“監督”で、
家では……“私の味方”でいてくれる、たった一人の人です」
ざわつく取材陣。
だが玲奈は、それ以上は語らなかった。
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■Scene 3:帰宅後、“妻”としての涙
帰宅した玲奈は、扉を開けるなり悠人の胸に飛び込んだ。
「……やばい、かも。
でも、あたし……どうしても、守りたかったの」
悠人はそのまま玲奈を抱きしめ、何も言わずに頭を撫でた。
「大丈夫。僕はどこまでも、玲奈さんの味方でいるから」
玲奈は、潤んだ目で見上げて、静かに微笑んだ。
「じゃあ――味方の“ご褒美”、くれる?」
悠人は笑って頷き、
そのまま何も言わずにキスを交わした。
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