第5話「インタビューと記者会見の狭間で」
バレないように手をつなぎ、バレないようにキスをする。
――けれど、心はもう、誰にも隠せなかった。
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■Scene 1:記者会見直前、“指先の誓い”
映画『ひかりの声』完成披露記者会見の日。
玲奈は白いロングドレスに身を包み、悠人は黒のシンプルなスーツ。
壇上には、玲奈・悠人・共演俳優の水島和輝・制作スタッフが並ぶ。
カメラが一斉にシャッターを切るなか、
玲奈と悠人は、壇上で立ち位置こそ離れていたが――
その背後で、静かに、お互いの手を握り合っていた。
玲奈の指がそっと重なると、悠人の親指が“合図”のように彼女の甲を軽くなぞる。
バレないように、でも確かに“愛してる”と伝える方法。
マスコミの視線が集まるなか、玲奈は落ち着いた声で答える。
「この作品を通して、新しい自分に出会えた気がします。
監督とは、現場でもぶつかることがありましたが……
とても信頼しています。だからこそ、演技に嘘がなかったと思います」
拍手が起きる。
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■Scene 2:共演者との“もう一つの秘密”
記者会見終了後の控室。
玲奈がドレスの裾を直していると、水島和輝がそっと近づいてきた。
「……あのさ、さっき。会見中に、監督と手、握ってたでしょ?」
玲奈の目が一瞬見開く。
「……見てたの?」
「たまたま、モニターで。カメラマンの後ろから。
でも、誰にも言わないよ。……っていうか、俺も秘密あるから」
玲奈が視線を向ける。
「秘密?」
和輝は苦笑しながら頷く。
「実は、俺……綾川玲奈さんの親友、如月七瀬さんのことが、ずっと好きだったんだ。
でも誰にも言えない。だから、俺たち、**“共犯”ってことでどう?」
玲奈は驚きながらも笑い、小さく右手の小指を差し出した。
「じゃあ、**“秘密の指切り”ね。どっちも絶対バラさないって約束」
ふたりの小指が、静かに絡んだ。
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■Scene 3:監視カメラの下で
会場を後にしようとする玲奈と悠人。
エレベーターの扉が閉まる瞬間、ふたりだけの空間になる。
(でも――ここには、監視カメラがある)
玲奈が口パクで呟く。
「……我慢できる?」
悠人はニヤッと笑って、小さく頷く。
それでも、キスをしたい衝動は抑えられなかった。
そこで悠人は――
玲奈の髪を整えるふりをして、顔を寄せ、
彼女の頬に、そっと唇を押し当てた。
玲奈も応じるように、軽く身体を預ける。
あくまで“映らないように”。
それでも、キスは確かに“ふたりの合図”だった。
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