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第4話「スクリーンに映る、ふたりの温度」



愛は言葉にしなくても、映像の中で滲み出る――

それが、ふたりの“共犯関係”。



■Scene 1:編集室、“ふたりの温度”を探す作業


都内の映像編集スタジオ。


モニターには、玲奈と和輝が見つめ合い、

そのままキスを交わすラスト直前のシーン。


悠人は、色味の微調整、BGMの入り、音声の残響、

そのすべてにこだわり抜いていた。


助手の編集スタッフがぽつり。


「監督、これ……何か、すごい“リアル”ですね。

演技っていうより、“恋”を撮ってるみたいな……」


悠人は静かにモニターを見つめながらつぶやく。


「それが……彼女の凄さなんです。

“嘘の中に、本当を滲ませる”。だから、観る人の心が動く」



■Scene 2:ポスター撮影と玲奈のコメント


同日午後、撮影スタジオではポスター撮影が行われていた。

玲奈と和輝が並び、ポーズを決めてシャッターが切られていく。


カメラマンが軽口を飛ばす。


「玲奈さん、最近すごく“柔らかく”なりましたよね。

この役、特別だったんじゃないですか?」


玲奈は少しだけ笑って答えた。


「はい。たぶん今までのどの役より、“演じる”ことをやめられた時間だったと思います。

……誰かが私の一番大事な“温度”を、丁寧にすくい取ってくれたから」


周囲のスタッフがざわつく。


(“誰か”って……監督のこと?)


だが、誰もそれ以上は聞かなかった。

玲奈の目が、どこか遠く――けれど誰か“たった一人”を見つめているようだったから。



■Scene 3:自宅でふたり、“完成”の夜


その夜。

玲奈と悠人は自宅のリビングで、完成した映像の試写をふたりだけで行っていた。


モニターの中で、玲奈が涙を浮かべながら呟くラストのセリフ。


「私は、あなたが私を忘れても、

私だけは、あなたを忘れません」


映像がフェードアウトし、スタッフロールが流れる。


そしてラスト、

「Directed by Yuto Kamiya」と並んで――

**「Starring Reina Ayakawa」**の文字。


静まり返る部屋。

玲奈がゆっくりと息を吐いた。


「……これが、私たちの“愛の証”になるんだね」


悠人は玲奈の手を取り、唇にそっと触れる。


「うん。でもきっと、誰にも気づかれない。

それでいい。僕だけが知ってれば、それでいいから」


玲奈は微笑み、身を寄せて――

また、誰にも見せない長いキスを交わす。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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