第1話「最初の映画、君に託す」
thirdseason 開幕です。
■Scene 1:卒業の日、監督としての第一歩
映画専門学校の卒業式。
クラスメイトたちが感慨深げに記念写真を撮るなか、悠人はひとり静かに式場を出た。
手には、自分が企画したオリジナル長編映画の企画書。
タイトルは――
『ひかりの声』
映画祭受賞者の実績と、玲奈のナレーションを軸に作り上げた短編が評価され、
映画会社から「次回作に本気で挑戦してみないか」と声がかかったのだ。
それは、「卒業生」から「映画監督」へと変わる瞬間だった。
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■Scene 2:玲奈への提案
その夜。
悠人は自宅のダイニングで、企画書を玲奈の前に差し出した。
「……玲奈さん。僕、この映画でプロの監督になります。
そして、最初の主演を……玲奈さんにお願いしたい」
玲奈は黙ってページをめくりながら、目を伏せる。
「この内容、けっこう重いわよ。実話ベースで、記憶喪失の女性と、その記憶を取り戻そうとする青年の物語……」
「うん。モデルは、僕が高校生のときに聞いた話。でも、この“声を通じて愛を思い出す”というテーマは――玲奈さんが教えてくれたことなんだ」
玲奈は、ページを閉じ、真剣な瞳で見つめた。
「……あんたが“私だから”って言うなら、やる。
でもそれ、ただの“妻”としてじゃなく、“一人の女優”として勝負するからね」
悠人は強く頷いた。
「もちろん。それを望んでる」
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■Scene 3:夫婦の約束
夜。
ふたりはベッドに並び、天井を見上げながら語り合っていた。
玲奈がぽつりと呟く。
「……本当にいいの? 撮影現場では、私を“妻”じゃなくて扱っても」
悠人は横を向き、微笑む。
「現場では“綾川玲奈”って呼ぶよ。
でも心の中では、ずっと“僕の人”だって分かってるから」
玲奈が静かに頷き、
そのまま顔を寄せ――何も言わずに、ゆっくりとキスを交わした。
(夢と現実、その狭間で――もう一度、ふたりで歩き出す)
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■Ending:
新作映画『ひかりの声』、主演:綾川玲奈、監督:神谷悠人。
これは、世界にまだ知られていない“秘密の夫婦”が、
スクリーンを通して“愛”を語る物語。
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