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第10話「秘密のまま、永遠に」



――これはまだ、“永遠の始まり”に過ぎない。



■Scene 1:スポットライトの中心へ


都内・大型シネコン。

玲奈が主演を務めた映画『青の残響』が大ヒットし、舞台挨拶には全国からファンが詰めかけていた。


報道陣も多数。カメラが並び、フラッシュが光る。


スタッフからイヤモニ越しに伝えられる。


「玲奈さん、マスコミに“恋人の有無”や“家族”について聞かれると思います。いつも通り、笑って流せば――」


玲奈は鏡の前で軽く頷いた。


(いつも通り、ね)


しかしその目は、鏡の奥で何かを決意していた。



■Scene 2:彼がくれた“手紙の言葉”


舞台袖で、玲奈は小さなメモを読み返す。

そこには、悠人が結婚後に書いた新しい“手紙”の一節が綴られていた。


「玲奈さん。

“誰か”としてじゃなく、“あなた”として愛しています。

だから、誰にも言えなくても構いません。

僕のことを、あなたが覚えていてくれるなら、それで十分です」


玲奈はその文字を胸に、ステージへと足を踏み出す。


スポットライトが彼女を照らした瞬間、会場は拍手に包まれる。



■Scene 3:永遠を封じた言葉


舞台挨拶の終盤。

司会者から、定番の質問が飛んだ。


「ところで玲奈さん、私生活も充実されてるとお聞きしました。恋愛事情なんて、少し聞いても?」


会場がざわつく。

報道陣のシャッター音が加速する。


玲奈は、一瞬だけ目を伏せ、そして顔を上げた。


「そうですね。私……この映画を撮っていた時期、

すごく“大切な人”と出会いました」


司会者が身を乗り出す。


「えっ、それは……?」


玲奈は微笑む。


「でも……“誰か”ではないんです。“あなた”だったから、私はその人に出会えた」


沈黙が会場を包む。


「私のことを信じて、手紙をくれたあなた。

私は、その手紙で、人生が変わりました」


悠人だけにしか届かない、言葉だった。


客席の後方。帽子を深くかぶった少年が、ゆっくりと目を伏せ、口元を結んだ。


彼の薬指には、細く輝くリング――

玲奈とペアで作った、世界に知られていない“証”があった。



■Scene 4:秘密のまま、永遠に


舞台挨拶が終わり、控室に戻った玲奈にスタッフが尋ねる。


「今の言葉……台本にはなかったですよね?」


「ええ。でも、必要だったの。私だけの、ささやかな“告白”だから」


その夜。

玲奈が帰宅すると、ダイニングには静かに座る悠人の姿。


2人は無言で見つめ合い、微笑んだ。


玲奈がそっと呟く。


「ねぇ……“これから”の話、しない?」


悠人は静かに頷いた。


「もちろん。だって、僕たちは……まだ“始まったばかり”ですから」



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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