プロローグ1・我が妻リーヴェ
「やっと目覚めたね、リーヴェ」
「?」
ぱちりと目を開けたわたしの目の前に広がるのは、きっらきらの世界。
綺麗なすこしだけふわっとしたプラチナブロンドの短髪に、形のいい漆黒の瞳。
夜空? プラネタリウム? 星の王子様?
目をぱちぱちさせるわたしに、目の前のプラネタリウム――もとい星の王子様は、にこりと微笑む。
そしてわたしの茶色がかった黒髪をそっと撫でた後、ふわりと左手を持ち上げた。
「美しい我が妻――もう二度と、離さないよ」
そしてキザったらしく持ち上げた手の薬指にキスをする。
ふと見れば指にはしっかりとゴールドとシルバーを絡ませたリング。
知ってる。
知ってるよこれ。結婚指輪っていうやつ!
え????
でもちょっと待って。
今、この人、「我が妻」って言ったよね?
どういう……こと?????
「あ、あなたは……誰ですか?」
恐る恐る尋ねると目の前の星の王子様(仮名)はとっても悲しそうな顔をした。
そして、そっとわたしの頬に手を触れて囁く。
「マルクトだよ、リーヴェ。君が俺をかばってから――20年が経ったんだ」
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