待ってなくても朝は来る。
いやでも朝は来る。
朝は好きじゃないな。
よっぽど、気分がいい日じゃなければ、一度で起きるなんてありえない。
もともとの生活パターンが昼型じゃないから仕方ない。
今日の予定を頭で考える。
仕事に行って、終わったら今日はバイトの日だ。
私は未だにキャバクラでのバイトを続けている。
金銭面はかなり安定してきたし、余裕こそないが充実しているのだけど、やめれずにいた。
…今日はちゃんとメイクしなきゃいけない。
めんどくさい。
実はスタジオ タイムは隣の隣の市だ。
毎朝、1時間半かけて出勤する。
本当に割りにあわない。
交通費は0だから結構、経済的に辛い。
自給は過去最低の仕事。
だけど、きっと今までが好条件すぎて私はとても恵まれた環境にいたんだ。
だから、身の丈にあったお給料はなんとなく清く大事に感じる。
10万ちょっとしかないお給料では本当に生活が苦しい。
でも、世の中の何人かは私と同じくらいのお給料できっと、それは悲願する要素にはならない。
9月の土曜日は予約でいっぱいだった。
スタジオ タイムに限らず多くの写真館ではこのシーズン、繁盛期を目前に忙しくなる。
七五三の撮影でごった返した店内は子供の泣き声や笑い声が響く。
私はため息を押し殺して、店頭へと出て行った。
結局、今日は休憩にいくことは叶わず、日が落ちかけた空を見上げながら車にのりこんだ。
疲れた体は少しきしんで、疲れ果てていた。
それは私にとって良い兆候で忙しくしていないと不安に飲み込まれるから。
さあ、これからバイトに直行して、知りもしない男たちに微笑みかけるんだ。
5時間後、バイトを終えて外に出るとまだ9月だというのに息が少し白かった。
深夜に帰宅すると家は暗く、私は簡単にシャワーを浴びてまだ、やってこない眠気を小さくなって待つんだ。