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ドラゴン喫茶  作者: 木苺
ダンジョン天空
7/10

飛翔

ドラゴン達は ダンジョンのある山のふもと近くまでたどり着いた。


ふもとと言っても すでに海抜2千mくらいの山々の上である。


はるか遠くの平野部の上には、雲海ともよばれる 霧状の層雲が見えた。


足元の山のてっぺんあたりには フワフワとした白い雲塊積雲が 浮かんでいる。


ここまでは 積雲を作る上昇気流に乗ってあがって来た。


さらに高く昇って 8千mの位の壁を作っている外輪山を超えるためには、

強い上昇気流をつかむ必要がある。


というわけで 4頭のドラゴン達は 積乱雲の中に飛び込んでいった。


積乱雲は その名の通り、雲中には 上昇流とか下降流が入り乱れている。


そして 空気や水滴がこすれあって・・


上昇するドラゴン達の周りでは 下から上へと延びる稲光が育っていた。


「ふふ 懐かしいなぁ。


 かつては 稲妻いなづまとともに入道雲の中を駆け上る我の姿を見た人間どもが、

『神龍だ! 雷光をまとって天に上る神龍だ!『天駆あまがける龍の飛翔』よ!とはやしたてものよ」 

と、神龍が にんまりと笑った。



「そういえば 君は 積乱雲の中で遊ぶのが好きだったねぇ」


稲妻が走るの合わせて 上昇気流を使って上に上り

枝分かれしたプラズマが 地上に向かって放電するのに合わせて

下降気流に飛び移って 一気に降下。


だから 地上にいる人間たちには、君が 雷をまとって 上へ下へと飛び回っているように見えたんだろうねぇ」火龍


「雲の中での放電によって、大気の中の窒素と酸素が結合し、

 それが雷雲がもたらす雨に溶け込み、地面にしみこみ、

 水と栄養を大地にもたらす。


 落雷の多い地域では、稲の実りが豊かだと、

君はちゃっかりと 天の恵みをもたらす神龍様とあがめられちゃって」緑龍


「さすがグリーンドラゴン、植物の成育に必要なものに詳しいねえ」氷龍が緑龍を冷やかした。


「実際 積乱雲の中を飛ぶのは スリリングで楽しいじゃないか」神龍は澄ました顔でこたえた。


やがて、龍達は 外輪山のてっぺんについた。


とりあえず、一同そろって 尾根に降り立ち、

ソロっと首を伸ばして 外輪山の内側のカルデラ、つまりダンジョンがあるであろう火口の中を覗き込んだ。

(参考)

雷、上から落ちるか下から昇るか?七十二候「雷乃発声 (かみなりすなわちこえをはっす)」

https://tenki.jp/suppl/kous4/2019/03/31/28983.html

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