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契約結婚は円満に終了しました ~勘違い令嬢はお花屋さんを始めました~  作者: 九條葉月


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衝撃の事実


 サラさんが貴族の娘。


 衝撃的な事実――の、はずなのだけど、妙に納得している私がいた。サラさんは貴族に負けず劣らずの美人だし。よく考えたらこの世界の庶民ってナイフとフォークを使って食事をする習慣もないはずだもの。


 私には分かる。

 今からサラさんの出生の秘密とか、恩人である店長との出会いとか、その辺の話が存分に語られることになるということが。具体的に言えばワンクールアニメの一話分くらいの濃密さで。


 と、思ったのだけど。


「まぁ、そんな話はどうでもよくて」


「い、いやいや!? よくないですよ!? 衝撃! 衝撃の事実ですから! わー私サラさんの出生の秘密知りたいなー!」


「とは言っても、友達相手に秘密にするのも嫌だから話しただけだし。そもそもお母さんが『あなたの父親は貴族なのよ』って言っていただけだから本当かどうかも分からないんだもの」


「あー……」


 あれか。当主がメイドに手を出して懐妊。夫人に家から追い出されたパターンか。前世の物語でよくあったし、なんならこの世界では『ありふれた悲劇』となってしまっている。


 う~ん、でも調べようと思えば調べられるかしら? サラさんと似た顔の貴族を探して――いよいよとなったら血縁鑑定の魔術を使って――手間暇を掛ければ不可能では無いと思う。


 ちなみに貴族にとって実子かどうかは重要なことなので、血縁鑑定系の魔術は古くから実用化されていたし、貴族の子供として王宮に出生届を出す際には鑑定が義務化されている。


 あ、でもダメだ。


 そもそも私は平民になったのだからどうこうできる立場にないし。伯爵令嬢だったままだとしても何かできるほどの力はなかった。


 あと、サラさんは美人だから実の父親が『政略結婚の駒として使える』と判断して望んでもいない結婚を押しつけてくる可能性がある。ダメダメ。無し無し。


「それはどうしようもないですねー」


「でしょう? まぁもしも実の父親とやらがやって来ても、普通にぶん殴っちゃうだろうけどね」


「いやぁ、さすがに貴族を殴るのマズいのでは?」


「バレなきゃいいのよ。バレなきゃ」


「どこをどうやったらバレないように殴れるんですか……?」


 けらけらと笑うサラさんを見ていると、どこまで本気なのかまるで分からなかった。



お読みいただきありがとうございます。面白い、もっと先を読みたいなど感じられましたら、ブックマーク・評価などで応援していただけると作者の励みになります! よろしくお願いします!

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