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契約結婚は円満に終了しました ~勘違い令嬢はお花屋さんを始めました~  作者: 九條葉月


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ストレス発散


「ほんとに報復しなくてもいいの?」


 と、私の顔を下から覗き込んできたのはカラック様。何とも可愛らしい。けど、口にしている言葉はまったく可愛らしくなかった。むしろ純真無垢っぽい顔でそんなことを尋ねられたもんだからガクガクブルブルである。


「い、いいんですよ。殿下に睨まれたからには、もうこの店にもやって来ないでしょうし」


「ふぅん? ボクだったら徹底的に叩き潰すけどなぁ。優しいというか甘いというか……貴族にしては珍しいね」


 徹底的に叩き潰すって……。小動物系の見た目に反して過激な性格をしているらしい。いや、名誉を重んじる貴族からすればそっちの方が当たり前なのか。


 殿下たちは私の心配をしてくださって、まだ店に留まろうとしてくださったけれど……ご遠慮した。お店のテーブルセットに座られるとさっきみたいにお客さんが逃げてしまうかもしれないし。作業場でずっと立たせておくわけにもいかないからだ。


 やはりあとでVIPルーム(事務室)を作るべきか。


 店の外に出て、殿下たちが乗った馬車を見送ってから、そのまま向かいの黒猫亭へ。


 頬を扇子ビンタされてもお腹は空く。

 というわけで。今日は苛つくこともあったのでちょっと豪華な食事といきましょうか。


「店長~。疲れた心を癒やしてくれる料理とかありませんか~? 高いヤツでもいいですから~」


「あん? 何があったかは知らねぇが、そういうときは肉を食え肉を」


「肉っすか?」


「おう! ムカつくときも元気がないときも、肉を食っておけば万事解決! 明日からどころか食っている途中から力が満ちあふれるってもんよ!」


「わぁ……」


 脳筋。

 と、ギリギリで口にしなかった私を誰か褒めてもらいたい。


 でも、お肉かぁ。庶民向けの料理ばかりではお肉が少なめになってしまうし、ここはいっちょステーキでも食べましょうか!


「じゃあ店長! 一番いいお肉をステーキにしてください!」


「おう! そう来なくちゃな! 今日一番いい肉は――オークの腹肉だな!」


「OH,オーク……」


 ちょっと早まったかなぁと後悔する私だった。いやオーク肉は意外なことに美味しいのだけど、なにぶんお肉になる前のビジュアルがねぇ……。とにかく醜い魔物として有名なのだ。




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