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契約結婚は円満に終了しました ~勘違い令嬢はお花屋さんを始めました~  作者: 九條葉月


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閑話 ライナ伯爵家の二人の娘


 ――ライナ伯爵家。


 領地は小さく、大した産業もなく、政治的権力も皆無。最近では後妻と連れ子の浪費によって借金ばかりが膨らんでいるという。


 そんなよくある(・・・・)貴族家でしかないライナ伯爵家は、良くも悪くも噂に上りやすい家であった。


 原因は、二人の娘。


 今は亡き正妻の娘であるシャーロット・ライナ。


 後妻の娘であるアリス・ライナ。


 正当なる伯爵家の血を引くシャーロットと、伯爵の子供であるが、平民である後妻との間に生まれたアリス。


 姉であるシャーロットは貴族らしくないくすんだ茶色の髪と、思い出すのも苦労する平凡な顔。さらにはみすぼらしいビン底眼鏡までかけている。


 妹であるアリスは柔らかにカールした輝くような金髪と、いかにも小動物じみた可愛らしい顔。さらには自分の長所をよく理解した薄化粧で完璧に見目を整えている。


 口さがない連中は『シャーロット嬢は血はいいが見た目はダメだ』とか、『本当はアリス嬢こそが伯爵と正妻の娘ではないのか?』と噂していた。


 ……シャーロットのくすんだ髪色と、顔が印象に残らない(・・・・・・・)ようにする(・・・・・)ビン底眼鏡は偽りであり、実際の外見は銀髪の美少女なのであるが。


 ともかく。

 見た目は対照的な二人であるが、内面もまた対照的な評価を受けていた。


 シャーロットは伯爵家の娘ながら王太子クルードが生徒会長を務める生徒会役員に選出され、その有能さはすべての役員、つまりは高位貴族の子息子女が認めていたという。


 逆に、アリスは勉学を苦手としており、基本的な礼儀作法すら満足に覚えていなかった。無論、姉とは違い生徒会に誘われることもなかったという。


 そしてさらに。二人の伯爵令嬢は、アルバート・レイガルド公爵の行動によってさらに話題となってしまう。


 シャーロットは同じ生徒会役員であったアルバートに求婚され、卒業と同時に公爵家入りしたことで一躍社交界の話題の中心となった。


 アリスはそんな姉を嫉み、ところ構わず姉の悪い噂を流し続け……そのせいで社交界からも嫌われ、結婚相手となるべき同年代の貴族令息からも避けられるようになってしまった。


 そして。シャーロットの電撃的な婚約破棄から数日後。

 活き活きとした顔をしたアリスの姿が、王宮で目撃されるようになったという。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 婚約破棄、結婚契約の両方が書いてあるのですが、どちらなのでしょうか。 婚約は結婚の約束なので、契約結婚の解消と意味がかわってくると思います。
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