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第98話 まったり配信から…


「よし、それじゃあ出掛けるとするか」


 ドローンの通知機能を切って家のあるセーフゾーンを出る。


 ダンジョン内にある我が家は大宮ダンジョンの81階層に造った。ここから移動用のゲートにまで移動をする際は絶対気が抜けないので、ドローンの通知はオフにしてある。


 この前に那月さんや華奈たちと話した時、東京ダンジョンでの最高到達階層が80階層と言っていたから、81階層のセーフゾーンに家を造ったのは正解だったな。大宮ダンジョンの80階層のボスモンスターが倒されることになるのは相当先のことになりそうだ。






「……よし、こんなものか」


 16階層の森階層に生息するロックバードというモンスターを2体ほど狩ってきた。ロックバードは1メートルほどの大きな鳥型のモンスターで、16階層のこの辺りの木の上に生息している。


 コカトリスとは違った淡白だがコクのある肉が特徴的で、卵と絡めて親子丼にするとかなりおいしいんだよな。ダンジョン内のモンスターは深い階層へ行けば行くほど旨みの強いモンスターが多いのだが、調理方法によっては低い階層のモンスターでも十分においしく食べることができる。


"なんかもっと深い階層のモンスターを見てきたからか、ロックバードがただの小鳥くらいに見えるんだけど…… @ルートビア"

"それなw 1メートルくらいの鳥って普通に考えておかしいんだが、ダンジョンには5メートルくらいの鳥型モンスターが普通に出てくるもんな! @XYZ"

"本来ならロックバードも空を飛びながら、鋭いかぎ爪で攻撃してくる厄介なモンスターなんだが…… @†通りすがりのキャンパー†"

"相変わらずヒゲダルマの配信を見続けていると感覚がおかしくなってくる件についてwww @たんたんタヌキの金"

"まあいつものことだ。うん、やっぱり最新のドローンはいいな! さすがにヒゲダルマの攻撃はスローにしないと見えないけれど、ブレ補正機能がだいぶ向上していて、だいぶ見やすくなっているぞ。 @月面騎士"


「新しいドローンの調子はなかなか良さそうだぞ。前のやつよりも速く動いてくれるから、移動もより楽になった。確かにこれは設定が面倒だけど、半年に一度新しいやつを新調するか」


 確かに最新式のドローンということだけあって、配信している画像だけでなく、飛んでくるスピードも上がっていて快適になっている。ドローン周りの設定は面倒だが、夜桜や月面騎士さんたちにすべて任せるとしよう。


「そういえば16階層の森の中に川があったな。ついでに川魚でも釣っていくとするか」




「……さて、ぼちぼち切り上げるかな」


 16階層の森にある川で釣りを始めてから1時間。


 釣果は30センチメートルくらいの川魚が3匹といったところだ。ぶっちゃけこの階層くらいだったら、俺が川に入って直接魚を捕まえることが可能なのだが、釣りはのんびりと楽しむものだからな。


"たまにはこういったのんびしとした配信もいいものだな。 @たんたんタヌキの金"

"もう殺伐としたダンジョン周回は勘弁! @ルートビア"

"天使の涙がまったくでない宝箱周回は精神的にもきついからな。 @†通りすがりのキャンパー†"


「さすがに俺も当分は勘弁だ。さて、家に戻ったら、こいつを炭火で焼くとするか。セーフゾーンで育てた大根おろしと一緒にちょっと高級な醤油をかけて食べるとたまらないんだよ」


"うわあ~めちゃくちゃうまそう! 今日の晩ご飯はサンマの塩焼きにしよう。 @ルートビア"

"そろそろサンマがうまい季節になってきたもんなw @月面騎士"


 どうやらリスナーのみんなも魚が食べたくなってきたらしい。


 ふっふっふ、家に帰って実際に魚を焼いているところを見れば、更に魚を食べたくなるに違いない。




「……んっ、探索者か」


 食材を確保して新調したドローンの試運転を終え、移動ゲートへと帰っている途中、森の中で4人組の探索者を発見し、思わずとっさに隠れた。


 基本的にはダンジョンの中で出会った探索者には関わらないようにしている。ダンジョン探索者や配信者の中にはヤバイやつもいるし、俺がこのダンジョンで暮らしているのがバレてしまうのも嫌だからな。


 最近はダンジョン配信で無駄に有名になってしまったから、余計に面倒なことになる可能性もある。いつも通り接触せずに帰るとしよう。


「そんじゃあ今から、この捕まえたコボルトでいろいろと実験してみたいと思いま~す!」


「まずはモンスターに味覚があるのか確認してみるぜ」


「今回用意したのはこちら! まずは軽いジャブでチューブのわさびとからし。お次は苦さで攻めてゴーヤと青汁。止めはダンジョン産の世界一辛い唐辛子の『ギガントキャロキア』だぜ! 何とこいつは驚異の200万スコヴィルでハバネロの10倍近く辛いとんでもねえブツだ。なにせ素手で触れないくらいの危険物だからな!」


「いいねえ~! そのあとはこいつらがどんだけ痛みに耐えられるか切り刻んで試してみるぜ! 配信のグロ規制ギリギリまで攻めてみるつもりだからヨロシク!」


「………………」


 どうやらこいつらもダンジョン配信者らしいが、俺が嫌いなモンスターで遊んだり、拷問をするような配信者だ。


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【コミカライズ連載中!】
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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 ま~たこの手の輩ですか…リアルでも創作でも、迷惑系配信者はガチの害悪ですなぁ。ヒゲさんが支援魔法使えたら、コボルトにこっそりバフかけてもらうようお願い出来るのに…。 それでは今…
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