表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/182

第73話 41階層の宝箱


【お知らせ】

いつも拙作をお読みいただき、誠にありがとうございます(*ᴗˬᴗ)⁾⁾

8/20に発売されました『アウトドアショップin異世界店 冒険者の始まりの街でオープン!』の続刊が決定しました!

しかも3巻まで決まったようです。これも皆様の応援のおかげです!

こちらの作品もどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m


「シャアアアア!」


 ザンッ


 空中から襲ってきたワイバーンの攻撃をかわしつつ、白牙一文字により一撃でワイバーンの首を落とす。


 41階層の草原のフィールドに現れるワイバーンは空を飛びつつ、高速で飛行をすることが可能で俺のスピードについてくることができるから迎撃を行った。


 そして倒したワイバーンを解体することなく、先へと進んで行く。周囲を警戒しつつ、一般配信で行っている配信のコメントを見ると、大勢のリスナーたちが勿体ないとコメントをしているが、今は解体の時間のほうが勿体ない。


 基本的にはモンスターとは交戦せずに進んできたのだが、この階層辺りからは洞窟以外の階層でも戦闘をしなければならないことが増えてきた。


「……くそっ、宝箱も見つからないし、ゲートも見当たらないな」


 41階層の探索を始めてから1時間半ほど経ったが、まだ42階層へと続くゲートは見つかっていない。


 俺が新しい階層の探索を初めておこなう時は右側からしらみつぶしに探索していっている。この階層も6~7割以上はマッピングをしてきたのだが、まだゲートは見当たらない。こればかりは探索を始めてすぐに見つかることもあれば、階層の最期まで探索をしないといけないこともある。


 視界が良くてゲートを見つけやすい草原の階層でもこれだけ時間が掛かってしまうんだよな。やはりこれまでのマップがあったことへの重要性を再確認をしてしまう。


「おっと、宝箱だ」


 さらに少し進んできたところで、41階層に来てから初めての宝箱を発見した。宝箱は普通の探索者よりも速く探索をしている俺でも1階層につき1つでも見つかればラッキーな方だ。


「……ミミックの可能性もあるから、慎重に開けないとな」


 ダンジョンの30階層を超えたあたりからは宝箱に偽装したミミックというモンスターが出現するようになる。このモンスターは宝箱とまったく同じ姿をしており、宝箱を開けようとするといきなり襲ってくるモンスターだ。


 それほど大きくはなく、こんなふざけた形をしているモンスターではあるが意外と強く、その大きな口と鋭い牙に噛みつかれて、即死したり腕や足を食いちぎられた探索者も多く存在する。


 ……そりゃ宝箱だし、ラッキーと思っていたところでの奇襲なんだから油断もしていて当然だ。


 とはいえ、ミミックというモンスターの存在はすでに知れ渡っているので、みんな宝箱を開ける時は注意して開ける。


「中身はと……残念、空っぽか」


 残念ながら宝箱の中身は空っぽであった。さすがにひとつ目の宝箱から目的の天使の涙が出てくるとは思っていなかったが、それでも残念である。


 天使の涙が出現する可能性はだいぶ低そうだし、ひたすら数を積んでいくしかない。




「よし、ようやく42階層へのゲートを見つけたぞ」


 41階層に来てから約2時間、ようやく次の階層へ進むことができる青い色をしたゲートを見つけた。この階層は運が悪く、ゲートを見つけるまでに2時間も掛かってしまった。


 もちろんモンスターとの戦闘はできる限り避け、戦闘があっても倒したモンスターはそのままにしてきたため、普通の探索者よりもかなり早く探索を進めてこれてきたはずだが、それでもだいぶ時間は掛かってしまった。


 やはりマップがなくて運が悪いと、これくらいの時間は掛かってしまうんだよな……


「42階層は岩場が多い階層か。そのまま進んで行くぞ」


 ゲートによって次の階層へと移動する。


 時間は0時を回ったのだが、この配信を見てくれているリスナーの人たちが拡散をしてくれたおかげで、まだかなりの視聴者がいる。しかし残念ながら天使の涙を所有している人やマップの情報を売ってくれるという人は現れてはいないようだ。


 華奈と瑠奈や他のリスナーさんたちと共有しているグループから何かあれば通知が来るように設定してあるが、そちらはまだ来ていない。


 さっきちらっとグループの会話を見たら、この配信で公開している連絡先に早くも連絡が来ていたようだが、どうやらそれはガセの情報だったみたいだ。やはり貴重なマジックアイテムということだけあって、悪いことを考えるような輩は存在しているようだ。


 あるいは今変に悪目立ちをしている俺に絡んで再生数を上げようとしているやつか、迷惑系のダンジョン配信者だったのだろう。残念ながら、華奈や瑠奈のような真面目なダンジョン配信者もいれば、そういったダンジョン配信者がいるというのも事実なのである。




「……よし、今回の階層はだいぶ早く次の階層へのゲートを見つけられたぞ」


 続く43階層へのゲートは40分ほどで見つけることができた。この階層では宝箱をひとつも見つけることができなかったし、やはりこの辺りは運にもよるな。


 階層を走りながら回って宝箱を狙うよりも50階層のボスを周回した方が確率は高そうだし、気を付けつつも探索をどんどん進めていこう。


 今のところはマジックアイテムの力で眠たくもなっていないからまだ大丈夫だが、俺もそれほど長時間を起きていたことはないし、精神的な疲労がこれからの戦闘にどう影響を及ぼすのか分からない。早めに手に入れられればいいんだけどな……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【コミカライズ連載中!】
(画像クリックで作品ページへ飛びます)

2dw35xypkzhv3gl2hg7q35cee9fn_xk1_p0_b4_54rp.jpg


― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 う~む、時間的に余裕が有れば周回プレイ(?)で一つくらい出そうなんですが…。余裕は無い+勝手知ったるダンジョンではないから余計に焦りが募りますね。 あとリアルでもそう…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ